万年筆で美しい字を書けるようになりたい
初稿:

年に4,5回くらい、手書きでハガキを書く。親類から届く贈り物へのお礼や、年賀状などである。
ペンは「PILOTのカクノ」という万年筆を使っている。万年筆と言っても、1000円程度の安価なもので、インクはカートリッジ式。
インクの色はブルーブラックを使っている。青みがかった黒色で、黒よりも柔らかい印象を与えるのが気に入っている。
問題は、2~3か月に1回くらいしか使わないため、いざ使おうとすると、カートリッジのインクが蒸発して空になってしまうことだ。
カートリッジは安いので、ボールペンよりコスパは良いのだが、字を書かずに蒸発してしまうのはもったいない。継続的に字を書く習慣をつけたいと常々思っていた。
日記を書く習慣をつければよいのだが、なかなか続かない。ブログを書くのも、キーボードを使うので、手書きの練習にはならない。
そこで、毎日うつくしい字を書けるように練習をすることにした。
ハガキを書くときに、「苦手だな」と思う字がいくつかある。いくつかあるが、それを改善しようと考えることもなく過ごしてきた。
年齢を重ねると、細かい人生のやり残しに目が行くようになる。
そこで、いくつかの練習帳を買ってきて、毎日1ページずつ練習することにした。
この手の練習帳は、とにかく種類が多い。だが、片っ端から練習帳をこなしていけば、いずれは全種類を制覇してしまうかもしれない。だとすると、迷う必要はない。
とりあえず、目に留まった3冊を買ってきた。
まだ2週間ほどだが、毎日続けられている。1ページあたり15分程度で終わるので、負担も少ない。
できるだけ朝に、「ゾーンに入るBGM」で検索して見つかる音楽をヘッドホンで聴きながら、集中して字を書く。
まだ起きている人間が少ない時間帯に行うこの行為は、瞑想に近い。字を書くことに集中することで、雑念が消えていく。
当初は、万年筆のカートリッジがもったいない、という動機から行き着いた習慣だが、いまではこの瞑想的な時間が楽しみになっている。
視覚に病があるので、いつまで字を書けるかはわからない。だが、見える限りは続けていきたい。
ペン字をやっている未来は想像できなかったが、やってみると楽しい。そして、年を取ったなと感じる。だがそれも悪くない。