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本記事の目的

  • Fcitxのバージョンを4から5にアップデートしたところ、neovimでインサートからノーマルにモード変更する際に自動でIMEをオフ(半角英数)にする処理が動作しなくなった。
  • 原因と対処を備忘録として残す。

環境

OS

  • Ubuntu 22.04LTS

関連パッケージ

  • Fcitx 5
  • neovim 0.8.3

事象

  • UbuntuのOSアップグレード(20→22)に併せ、インプットメソッドアプリとして使用しているFcitxのバージョンも4→5にアップグレードした。
  • neovim(vimでも同様の事象)でインサートモードを抜ける際に、自動でIMEをオフにする処理が動作していないことに気づく。
  • 本処理はinit.vimに設定したスクリプトによる。

原因

  • IMEをオフにする処理はFcitxに含まれるコマンドラインツール「fcitx-remote」を使用している。
  • Fcitx5では、このコマンド名称が変更されたため修正する必要がある。

対処

init.vimの該当箇所を以下のとおり修正した。

修正まえ

if has('unix')
  inoremap <silent> <Esc> <Esc>:call system('fcitx-remote -c')<CR>
endif

修正あと

if has('unix')
  inoremap <silent> <Esc> <Esc>:call system('fcitx5-remote -c')<CR>
endif

修正は fcitx-remote を fcitx5-remote へと「5」を追加しただけ。

if has('unix') は、個人的にinit.vimをWindows環境と併用するために記述しているのでunixのみの環境であれば不要。

まとめ

fcitx-remoteが動作していないと気づきターミナルで直接実行すると存在しないと言われ、Fcitx5でコマンドツールが消えたのか?と思って調べまくったがあまり情報がなかったので備忘録として残すことにした。

参考サイトにバージョン4と5に分けて説明があったおかげで理解できたのでたいへんありがたかった。

色々な経緯を経てのこととは思うが、なぜコマンド名を変えた?という思いはぬぐえない。

参考サイト

Fcitx5はfcitx-remoteのコマンド名が変わるので注意【Ubuntu・Neovim】

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本記事の目的

  • Neovimのバージョンを0.7.2から0.8.3にバージョンをあげたところ、コピーした日本語テキストが文字化けする事象が発生した。
  • 原因と対処を備忘録として残す。

環境

OS

  • Windows11 Pro 22H2

仮想環境

  • WSL2 & Ubuntu22.04LTS

アプリケーション

  • VSCode 1.76.2

VSCode拡張機能

  • VSCode Neovim 0.0.97(拡張機能)
  • Visual Studio Code WSL 0.76.1

その他

  • Neovim 0.8.3(Ubuntuにインストールしてある)

事象

  • WSL-Ubuntuより起動したVSCodeで日本語を入力しコピーまたはヤンクしたテキストが文字化けする。
  • VSCode上で入力したテキストをWindows上で直接起動したブラウザ等にペーストする作業で発覚。
  • エディタ上でヤンク&ペーストを行った場合も同様に文字化けする。
  • 前後の環境変化として思い当たるのはNeovimのバージョンをあげたこと(0.7.2→0.8.3)。

原因

  • VSCodeのエディタは、拡張機能によりWSL-UbuntuにインストールしたNeovimの仕様が反映されている。
  • NeovimのレジスタとWindowsのクリップボードを連携するためinit.vimに設定を書いている。
  • この設定を削除しエディタ上でヤンク&ペーストすると文字化けしない。
  • よって、レジスタからクリップボードにデータが入るところで文字化けが発生していると結論した。

対処

レジスタとクリップボード連携のスクリプトを以下のとおり修正した

修正前

if system('uname -a | grep microsoft') != ''
  augroup myYank
    autocmd!
    autocmd TextYankPost * :call system('clip.exe', @")
  augroup END
endif"

修正後

let g:clipboard = {
  \   'name': 'myClipboard',
  \   'copy': {
  \      '+': 'win32yank.exe -i',
  \      '*': 'win32yank.exe -i',
  \    },
  \   'paste': {
  \      '+': 'win32yank.exe -o',
  \      '*': 'win32yank.exe -o',
  \   },
  \   'cache_enabled': 1,
  \ }

もしNeovimオンリーでインストールしている場合は手動でwin32yank.exeをインストールする必要がある。

詳しくは以下記事を参照。

FAQ · neovim/neovim Wiki · GitHub

まとめ

Neovim0.8のリリースノートをざっと眺めてみたが、わたしでは原因特定に至らなかった。

公式では今回の修正した設定をアナウンスしているので結果的に良しとしたい。

参考サイト

Neovimを0.7.2から0.8.3にバージョン上げたらクリップボードのテキストが文字化けする【WSL2-Ubuntu】

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あらすじ

村の娼婦だった母の子として生まれたトビアス。ある事件を契機に名前を変え、戦争孤児を装って国境を越えた彼は、異邦にて工場労働者となる。灰色の作業着を身に着け、来る日も来る日も単調な作業に明け暮れるトビアスのみじめな人生に残された最後の希望は、彼の夢想の中にだけ存在する女リーヌと出会うこと……。傑作『悪童日記』三部作の著者が、みずからの亡命体験をもとに幻想と不条理を交えて綴る不可能な愛の物語。
――本書より引用

読書感想

著者「アゴタ・クリストフ」のデビュー作『悪童日記』から始まる三部作の後、1995年に発表された作品。

三部作は以前こちらに感想を書いた。

『悪童日記』 アゴタ・クリストフ 【読書感想・あらすじ】 | neputa note

あらすじ 戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理――非常な現実を目にするたびに、ぼ

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『ふたりの証拠』 アゴタ・クリストフ 【読書感想・あらすじ】 | neputa note

ふたりの証拠 (アゴタ・クリストフ) のあらすじと感想。戦争は終わった過酷な時代を生き延びた双子の兄弟一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を

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『第三の嘘』 アゴタ・クリストフ 【読書感想・あらすじ】 | neputa note

第三の嘘 (アゴタ・クリストフ) のあらすじと感想。 ベルリンの壁の崩壊後、双子の一人が何十年ぶりかに、子供の頃の思い出の小さな町に戻ってきた。彼は少年時代を思い返しながら、町をさまよい、ずっと以前

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アゴタ・クリストフ作品には彼女の人生が色濃く反映されている。

よってまずはある程度の背景を把握してから読むことをおすすめしたい。

または彼女の自伝である『文盲 アゴタ・クリストフ自伝』を読んでみるのもよいかもしれない。

アゴタ・クリストフの背景

1935年ハンガリーに生まれた彼女は21歳の「ハンガリー動乱」から逃れるため夫、娘と共にオーストリアを経由しスイスへと移住した。

ハンガリー動乱(ハンガリーどうらん)とは? 意味や使い方 - コトバンク

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - ハンガリー動乱の用語解説 - 1956年 10月にブダペストの学生,労働者のデモをきっかけとして起り,約2ヵ月間続いた暴動。ポーランドにおける十月政変に刺激さ

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この移住は国家間の争いに翻弄された結果であり、本人が望んだものでは無かったことは想像に難くない。

そして言語が異なる国へ移住することは母語との別れを意味する。

スイスのフランス語圏で暮らすことになった彼女は、必然的にフランス語話者となることを要求される。生きていくために。


海外で暮らしたい、だから英語を学びたい、といった前向きな話しではないのだ。この人生の転機は「喪失」を意味するのだろう。

自伝で彼女は「フランス語は私の母語を殺し続けている」と語っている。

だが皮肉にも、母語を殺すフランス語によって彼女は名作を生み出すのだ。


残念ながら、わたしはフランス語がわからない。実際の原書のニュアンスまでは理解することはできない。だが翻訳書である本作品の文体に大きな特徴を感じる。

どこかぎこちなく、ぶつ切り気味の文体は非常に個性的であり、作品を輝かせる要因のひとつである。

だが、彼女がほんとうに書きたかった文章は、動乱により失ってしまった母国語であるハンガリー語によるものだったのだろう。

この意図しない状況は、文体はもちろん作品内容にも大きく影響を及ぼしている。

『昨日』の感想

わたしにとって本作は「悲恋の物語」だ。

悲恋といっても、そのひとつひとつは多様であり、本作におけるそれは非常に特徴的である。

特徴づけるものの一つとして、「アイデンティティ」は欠かせない要素であろう。


主人公である「トビアス」の少年時代から物語は始まる。

彼の少年期はこの世の不幸を凝縮し固めたようなものだ。

トビアスと二人暮らしの母親は村で娼婦として生活の糧を得る。

狭いコミュニティ、この境遇。多感な時期にこの条件である。たいそう肩身の狭い思いをしたことだろう。


そして実の父はトビアスが通う学校の校長。権威と不貞、端的に言って「クソ野郎」。

輪をかけて悲惨なのは校長の娘が同じクラスメイトであること、そして彼の境遇に同情していることだ。

このような状況下では正気でいることの方がむしろ狂気である。

トビアスの少年期は壮絶な事件により突然の終焉を迎える。

隣国に逃れ、半ば強制的に自立した人生を始めざるを得なくなった流れは著者の人生とそのまま重なる。


夢遊病者の浮遊感と直視しがたい現実に対する激しい葛藤をない交ぜにしたようなトビアスの日常描写はアゴタ・クリストフの大きな才能を感じるところである。

現実の生々しさと寓話のような夢世界がひとつになったと言うか、表現がむずかしい。


登場する人物はみな個々が抱えるゆがみの部分が特徴的に描写される。

ピカソの抽象画のように鼻だけが大きかったり、左右の手の大きさが極端に異なる人びとがいる世界。

この不可思議な感覚をもたらす文章はある種の快感である。

と同時に、物語の生々しい現実感を抽象化する必然性が著者の壮絶な人生にあることを思う。

外国に逃れ、名を変え、外国語で生きるトビアスが繰り返す祖国に帰るか否かの問いは著者自身のアイデンティティへの葛藤に重なる。


人生が破壊され大きな喪失によって本作のような珠玉の芸術作品が生み出されたことの複雑な因果を前に、わたしはただ茫然と感情を処理しきれずにいる。

ただ、アゴタ・クリストフという偉大な作家が生きた証として残した作品が多くの人の手に届くことを願ってやまない。

余談・本書を読むキッカケ

個人的な備忘録を。


三部作を読み終えてから9年もの時をおいて本作を手にとるには明確なキッカケがあった。

2年前に亡くなった、わたしの妹の遺品のひとつだからだ。

長きにわたり互いの詳細など知らずに生きてきたが、偶然にもアゴタ・クリストフの作品を読んでいた。

明確な理由は見つけることはできなかったが、わたしはそれを持ち帰り保管した。

気もちの整理がつかぬままいたが、2度目の命日を前に読むことにした。

いつか読むかもしれない、と思っていた三部作以外のアゴタ作品を、このような形で読むことになるとは。

読んでいるあいだ、これを手に読んでいたであろう妹は何を思ったのか。

ぜひ聞いてみたいと強く強く思った。

著者・訳者について

アゴタ・クリストフ
アゴタ・クリストフは1935年ハンガリー生まれ。1956年のハンガリー動乱の折りに西側に亡命して以来、スイスのヌーシャテル市在住。1986年にパリのスイユ社から世に送り出したフランス語の処女小説『悪童日記』によって一躍脚光を浴び、その後、続篇の『ふたりの証拠』(88)、『第三の嘘』(91)を発表して三部作を完成させ、力量ある第一級の作家としての地位を確立した。これらの作品は世界20カ国以上で翻訳され、数多くの熱心な読者を獲得した。日本では1991年に『悪童日記』が翻訳出版されると、読書界に衝撃と感動の渦が巻き起こり、多くの文学者・作家・評論家から絶賛の声が寄せられた。著者が来日した1995年に発表された本書も大きな反響を呼び『怪物』『伝染病』の戯曲集も相次いで刊行された。2006年には自伝『文盲』が翻訳され、話題となった。
――本書より引用
堀 茂樹
1952年生、フランス文学者、翻訳家
訳書 『悪童日記』『ふたりの証拠』『第三の嘘』クリストフ
『シンプルな情熱』エルノー
(以上早川書房刊)他多数
――本書より引用

『昨日』 アゴタ・クリストフ 【読書感想・あらすじ】

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あらすじ

1960年代のチェコ、プラハ。主人公で日本人留学生の小学生・弘世志摩が通うソビエト学校の舞踊教師オリガ・モリソヴナは、その卓越した舞踊技術だけでなく、なによりも歯に衣着せない鋭い舌鋒で名物教師として知られていた。大袈裟に誉めるのは罵倒の裏返しであり、けなすのは誉め言葉の代わりだった。その「反語法」と呼ばれる独特の言葉遣いで彼女は学校内で人気者だった。そんなオリガを志摩はいつも慕っていたが、やがて彼女の過去には深い謎が秘められているらしいと気づく。そして彼女と親しいフランス語教師、彼女たちを「お母さん」と呼ぶ転校生ジーナの存在もいわくありげだった。

物語では、大人になった志摩が1992年ソ連崩壊直後のモスクワで、少女時代からずっと抱いていたそれらの疑問を解くべく、かつての同級生や関係者に会いながら、ついに真相にたどり着くまでがミステリータッチで描かれている。話が進むにつれて明らかにされていくのは、ひとりの天才ダンサーの数奇な運命だけではない。ソ連という国家の為政者たちの奇妙で残酷な人間性、そして彼らによって形作られたこれまた奇妙で残酷なソ連現代史、そしてその歴史の影で犠牲となった民衆の悲劇などが次々に明らかにされていく。

読書感想

主な登場人物

長い長い物語なのでたくさんの人物が登場する。巻頭に人物一覧があるのだが、わたしなりに受けた印象を盛り込んだ上であらためて一覧化してみる。

弘世志摩 シーマ シーマチカ

少女時代をソ連邦支配下のチェコで過ごした日本人女性。帰国後はダンサーの道をあきらめ翻訳家として生きる。シーマチカの設定は著者のそれと瓜ふたつ。ソ連崩壊後にチェコで教えを受けた恩師オリガ・モリソヴナの謎を解き明かしていく。本作における物語推進役。

オリガ・モリソヴナ

謎多きエキセントリックな名物舞踏教師。かなりキャラが立っている。子どもたちの失敗に美辞麗句を浴びせかける反語法の使い手。本作品の主軸であり彼女の生きざまに、わたしたちは酔いしれるのだ。

エレオノーラ・ミハイロヴナ

古風な美しいフランス語を操るフランス語教師。心ここにあらずの雰囲気をまとうその理由に涙せよ。オリガのずっ友であり戦友のような存在でもある。

ミハイロフスキー大佐

チェコのソ連大使館に所属する軍人。知れば知るほどクソ野郎だがじつは真実の底は深い。混迷の時代においては人を簡単に評価してはならない。

カーチャ

本好きなシーマチカの同級生。のちに図書館員になる夢を叶える。シーマチカとは今も昔も大親友。オリガの謎解きをしっかりサポートする。愛すべきキャラの持ち主。

ジーナ

シーマチカの学校に転校してきた東洋の血を引く踊りの才能豊かな謎多き人物。オリガとエレオノーラを「ママ」と呼ぶ。オリガの謎解きのラストピース。

レオニード

感情を失ったようなグリーンの瞳が特徴の少年。シーマチカの一学年うえの上級生であり、シーマチカの初恋の相手。ヒドイ時代の悲しき運命を背負った彼に深く同情する。

コズイレフ

レオニードの父でありソ連の著名な哲学者。のちに不審な死を遂げる。社会主義の世界では名を成すものはみな死ぬ(偏見)。

ナターシャ

シーマチカがオリガの謎解きの過程で出会うダンサー。彼女との偶然の出会いが物語を一気に加速する。

マリヤ・イワノヴナ

ソ連時代から崩壊後にいたるまで劇場の衣装係をつとめる老女。真の歴史を語れるのはマリヤのように生き残った者の証言のみである。

ガリーナ・エヴゲニエヴナ

夫のスパイ容疑に巻き込まれソ連のラーゲリ(強制収容所)送りにされた体験をつづった手記を書いた人物。この手記がオリガの謎解きの最初の取っ掛かりとなる。「ラーゲリ」という言葉は地獄の響きをもつ。

感想

冒頭、冷戦下のチェコ・プラハにある「ソビエト大使館付属八年生普通学校」の講堂の舞台で、本作品を象徴する「オリガ・モリソヴナの反語法」で物語は幕をあける。

「ああ神様! これぞ神様が与えて下さった天分でなくてなんだろう。長生きはしてみるもんだ。こんな才能はじめてお目にかかるよ! あたしゃ嬉しくて嬉しくて嬉しくて狂い死にしそうだね!」
――本書9ページより引用

「反語法」、つまり上記のセリフは言葉のとおり礼賛を意味しない。ダンスの授業で踊りをまちがえた少年にオリガが浴びせた叱責、皮肉である。

自称50歳、実際は70を超えているであろう誇り高き舞踏教師「オリガ・モリソブナ」、彼女は言い知れぬ不思議な魅力に溢れている。

彼女の反語法には、強烈であるが痛快な響きがある。

本書のタイトルずばりの「オリガ・モリソブナの反語法」は、いつ何処でどのように生まれたのか。内容とタイトルがここまで美しく調和する作品もめずらしい。それこそが読みどころであり、作品がもっとも主張するところなのだ。


第二次大戦以前、ロシア革命、冷戦、ソ連崩壊、と20世紀を通して描かれる大河小説でもある。そして、世界情勢と等しく、ロシアの国内情勢も時代が古いほどヤバさヒドさは増し増しだ。

現在も言論に統制がかかった国ロシアだが、オリガの若かりし頃はシャレにならない。少しでも疑いがあればラーゲリ逝きが確定する。

ラーゲリ(露: Лагерь)とは、ソビエト連邦における強制収容所を指すが、本来はキャンプを意味するロシア語の単語であり、夏休みの子供キャンプ、合宿、宿泊施設も意味する。

ラーゲリについては山崎豊子の『不毛地帯』で知った。シベリアなど僻地にあり、人が人でいられるギリギリの環境というイメージがある。

そのような過酷な環境をサバイブしたオリガ・モリソブナは、その後も続く混乱の時代をどのように見ていたのだろうか。

小説の登場人物であり、時代も異なるのは分かっている。だが、本書を読み終えたとき、わたしは心の底からオリガに会ってみたい、話しを聞いてみたいと思った。


なにもロシアに限ったことではないが、世界中どこでも歴史を作りたがる輩がいる。そういった輩によって歴史が書かれてきた。

だが権力を手にした者たちが書く歴史はいつだって都合のよいことばかりだ。不都合なことは無かったことに。権力が人に抱かせる万能感はそういった行為をあたりまえにしてしまう。今だってそうでしょう。

だが実際に歴史を作ってきたのは彼らではない。歴史には書かれていない無数の名もなき人々が、わたしたち人間の命をつないできたのだ。

権力の側が行うのは争いによる断絶であり、簡単に入れ替わり、消えてなくなる。

スターリン、フルシチョフと時の権力者が失脚し歴史から消え去るなか、時代に翻弄されつつも誇り高く生き抜いたオリガの人生は美しく輝かしいものだった。


小説は素晴らしい。歴史書と違い、オリガ・モリソブナのような人の人生を読むことができる。富や権力を手にしたわけではないし歴史的偉業を成したわけでもない。だが、実に魅了される人物であり生き様だ。

わたしがもっとも読みたいのはオリガのような「誰か」の物語なのだ。

特に印象深い箇所の引用

以降、ネタバレを含みます。

思わず付箋をぺたりと貼った特に印象深かったところを残す。

ガリーナ・エヴゲニエヴナによるラーゲリの回想

シーマチカが手記について話しを聞こうとガリーナ・エヴゲニエヴナの元をおとずれた場面。ガリーナが語った数あるエピソードの中で、芸術が彼女たちの心を支えた話しがもっとも印象的だった。

自由の身であった頃、心に刻んだ本が生命力を吹き込んでくれたんですよ
――本書212ページより引用

ラーゲリという自由そして人としての最低限の尊厳すらも剥奪され、食べものや水もろくに与えられず、心身ともにギリギリの状況下において、自由だった頃に読んだ本や観た舞台、音楽を収容された女性たちは代わるがわる演じ互いを楽しませた。

人間は夢や希望を抱くことさえできれば、なんとか地獄のような状況でも生き抜けることができるという話しだった。つまり反対にどれだけ物質的な豊かさや行動の自由があったとしても夢や希望がゼロでは生きていられない。

生々しいラーゲリの描写と相まってインパクトがあり、また作品通じて最も筆者の筆に力がこめられたと感じる場面でもあった。

生死を選択する自由

ラーゲリに収容されたオリガが絶望のあまり死を望むようになる。だが所持品の一切を奪われた彼女は刃物を手に入れようとやっきになる。

それで、ある日、発見したんだ。靴紐は取り上げられていたけれど、靴ひもを引っ掛けるための掛け金が靴に残っていたのを。その掛け金を外して、曲がっているのを真っ直ぐ伸ばして、毎日床石に当てて少しずつ研いでいった。こうして自分で刃物を手にした瞬間、途轍もない解放感を味わったんだ。自由を獲得したと思った。あたしの生死はあたし自身で決めるって。
――本書366ページより引用

刃物を手にしたオリガから自殺する気持ちは消え去り、絶対に生き抜いてやると命の火を燃やす。

死ぬことすら許されないというのはある意味で究極的な不自由なのかもしれない。

オリガが刃物を手にしたときに感じた「途轍もない解放感」を想像したとき、わたしの魂は激しくゆれた。

オリガ・モリソヴナの反語法、誕生秘話

平和な時代ではただの嫌味たっぷりな言い回しにも受け取られかねないオリガの反語法はいつどのように生まれたのか。

オリガはラーゲリに向かう護送列車で刑事反の女たちに出会う。

彼女たちは大人しく看守たちに従うことは決してない。団結し、身体を張り、自分たちの権利をとことん主張したという。

罵倒言葉のボキャブラリーは彼女たちから学んだものだった。

罵倒言葉と一緒に権力や権威にひれ伏さない生き方もね
――本書367ページより引用

そして、それらの言葉はオリガの強くたくましく誇り高く生きる精神を表現するものとして刻まれたのだ。

一聴して違和感や不快感があったとしても、人が放つ言葉が、いついかなる状況でその人に刻まれたのかを想像することはとても大切なことかもしれない。

著者について

米原万里(よねはら まり)
1960年、東京都生まれ、59~64年、プラハのソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院露語露文学修士課程修了。80年から同時通訳を始め、ソ連・ロシア関係の報道に従事。90年エリツィン来日時に随行通訳を務め、92年日本女性放送者懇談会SJ賞を受賞。95年『不実な美女か貞淑な醜女か』で読売文学賞、97年『魔女の1ダース』で講談社エッセイ賞を受賞。2002年4月『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』で第33回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
――本書より引用

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Photo by : Georg Arthur Pflueger

日常の愚痴あるいは嘆きと諦念の狭間

久しぶりに母から電話があった。

「ドコモショップに行ったところ、思ったよりお金がかかったが大丈夫だろうか?」という話しだった。

意味が分からない。

もう少し詳しい話しを聞こうとすると、「電池がすぐ切れる」「新しいらくらくホン」「二万円払って2千円ぐらいしかお釣りがない」「保証金」「領収書がない」など、断片的なことを時系列や話しの筋もバラバラに投げつけてくる。

このようなやりとりは母とのあいだで幾度も繰り返されてきたことであり、わたしが驚くことはない。

ちなみにわたしと母は約2倍の年齢の開きがあり、母は80歳を超えている。

この文章は、どこにでもある高齢となった親と、中年となった子の不毛なやりとりだ。

退屈極まりないことをお約束する。

今回の電話の前に前提として、わたしが把握していたことは以下のとおりである。

  • 母はドコモのらくらくホンを使用していること
  • 用途は主に通話、メール、LINE、簡単な検索であること
  • 4Gギガライトプランと通話し放題プランを契約しその他オプションは未契約であること
  • 今の端末を使い始めてから約4年が経過していること

そして、聞き出した断片的な母の言い分を整理するとどうやら以下のとおりであった。

  1. バッテリーの充電が正常に行われなくなった
  2. 以前端末を購入したドコモショップに出かけ相談したところ機種変更を勧められ申し込んだ
  3. 端末代金は分割払いの他、その場で一万数千円を支払った
  4. 担当者が新しい端末へのデータ移行をおこない以前と変わらず使えている

問題は、3番目の「一万数千円を支払った」こと。

何の料金か分からない、「手数料」、「保証金」と言われた気がするとのこと。

この時点で驚く方がいるかもしれないが、わたしは慣れている。

わたしの母はよく分からないままに金を払うことがある。

そして、よく分からないままサインもして機種変更契約の手続きを終えてしまう。

恐ろしいが、よくあることだ。

しかし、何かしらの違和感を感じ連絡をしてきたのだ。わずかではあるが、社会に対する防衛機能が働いたのだと前向きに捉えよう。

何はともあれ、実際に書面や契約情報を確認しないことにはいかんともしがたい。明後日に会うこととなった。

母は電車で一時間ほどで行けてしまう場所に暮らしている。母はラッキーだろうが、わたしにとってはマイナスなことだ。


誰もが感じることだとは思うが、携帯電話やインターネットなどの契約はあまりに複雑怪奇だ。

高齢者が内容をしっかりと理解し手続きを行うなど至難の業である。

資本主義の世界では法の範囲内であれば倫理は無用。

もしかしたら高齢の母が理解できないことをいいことに、不当に支払いを求められたということも十分ありうる。

そうなった場合は戦わなくてはならない。非常に面倒だが。

となれば少しでもいくらかの弾丸は用意する必要がある。ということで簡単に調べてみると80歳以上の客に向けたこのような案内を見つけた。

携帯電話の購入を検討されている80歳以上のお客さまへ

お手続きにおいては、ご家族同伴でのご来店をお願いしております。
なお、お一人でのご来店の際は、店頭からご家族さまへお電話させていただく場合がありますので、来店時間について、ご家族さまと事前にご相談いただきご来店ください。
お電話でのご連絡を希望されない場合についても、事前にご家族さまへご相談の上、ご来店ください。

その他、丁寧に手続きの流れ、注意事項、店頭での手続きでは手数料がかかることなどが説明されている。

今回、母が利用したドコモショップは上記のような対応は行っていない。

この点はいざとなればツッコめるポイントになりそうだ。

そしてさらに「8日以内キャンセル」という制度があることを知る。

8日以内キャンセル | お客様サポート | NTTドコモ

「8日以内キャンセル」のお手続き方法についてご紹介します。

これはもう勝ち確定ではないか。

しかも、ドコモは「8日以内キャンセル」を正しく運用しなかったことで総務省から行政指導を受けたとのこと。

あっという間に必殺の銀の弾丸を手に入れてしまった。何たるゆるゲー。

これだけルールが整備され公表されているのはそれだけ数多くトラブルが起きた証左であろう。


油断は禁物だがいずれにせよ悪いことにはならないだろうと幾ばくかの安堵の気持ちで後日、母と会った。

待ち合わせた駅構内のコーヒーショップに入り、母が持参した書類一式に目を通した。

「無い」と言っていた領収書は問題なく書類の中にあった。キレそう。いやこのぐらいではキレない。

そして明細に目を通していくと、端末購入代頭金として一万五千円、事務手数料三千円という項目を発見した。

端末代金から頭金を差し引いた金額が分割払いの合計と一致することも計算の結果あきらかとなった。

つまり、今回わたしの母がドコモショップで行った機種変更契約にはなに一つ問題は無かったのだ。

とはいえ、ドコモ側が定めた80歳以上の来客への対応を行ったこと、今も理解できていない高齢者と機種変更契約を締結してしまったこと、という2つの問題がある。

とりあえず契約内容に問題はないこと、相手の手続きに落ち度があるのでキャンセルできそうなことを母に説明した。

新しいらくらくホン端末は、以前よりも字が読みやすいからこのままで良いとのたまう。

いったいわたしは何に付き合わされたのか。ゆっくりとわたしの頭から血が下がっていくのを感じる。

おそらく今回の件は、

  • 説明を受けた情報量が多かったために理解する気が失せ聞き流した
  • そのうえで個人の感覚として「余計」と感じた代金を支払った
  • 結果、納得いかない気持ちになった

といったところではないか。

さすがにわたしは軽くキレかかったが、なんとか耐えた。

耐えに耐えつつ、よく分からないままサインをしないこと、よく分からないまま金銭を支払うことはしないこと、このような注意はこれまで数えきれないほどしてきたことを母に伝えた。

そして、きっと今回の説明もまったくの無駄になるけど気にするな、と自分自身に言い聞かせた。


今回のことを単純に捉えてしまえば、身勝手な高齢の母親に息子が振り回されただけの話しだ。

ストレスはかなりのものがあったが、母はこんな感じでこれからも生きていくのだろうと思った。

運が良ければ大きなトラブルに見舞われることも無いだろうし、少なくとも80歳を過ぎるまで切り抜けてこれたのだ。

とはいえ逐一じぶんの言動を反省し悩むような正確のわたしは永遠に母と分かりあうことはないと確信している。

だが人は良く考えずに金を払い、後からおかしいと思えば誰かを巻き込むし、こんなことは毎日どこかで数多く起きていることだし、こうやって人類は今日までやってこれたのだ。

どっちが正しいとか正しくないということではない。

家族と言えども別々の個体なのだから別個の生き方をしてあたりまえなのだ。

百回以上は繰り返されてきたこのような不毛なやり取りが、わたしの中の諦念をより堅固なものにする。

ああ人間ってすばらしい。

ドコモショップに因縁をつける高齢者 ーどこにでもある親子間の不毛なやり取り【日記】

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我が家のシナモン文鳥さん

年末は一年を振り返る気分じゃないし、正月は新たな一年をあれこれ考える気分じゃない。日常が始まりようやく頭も回りだした。

過去を振り返ったり先を考えたりするのは年齢を重ねるにつれ億劫だ。

がんばれわたし、来年の自分のために。

2022年の振り返り

一年前は1月4日にこんな記事を書いた。

【日記】2021年やったこと、2022年やること | neputa note

年が明けたので昨年を振り返り、今年のことをぼんやり考えてみる。ブログという少ないながらも人目にさらされる場所に向き合うことは、怠惰な自分を動かすにはちょうどよい。(うっかり訪れてしまった方には申し訳な

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2022年のやること、結果検証

2022年にやることとして挙げていたのは以下。それぞれの成果を検証する。

  1. パートナーと文鳥さんの写真集をマンスリーベストショット方式で年末に作成する
  2. 手話の勉強を始める(テキストを買う)
  3. 読書時間を増やす(月2冊)
  4. Duolingo ドイツ語終わらせる(2024年まで)
  5. 倫理を学ぶ(入門書を買う)
  6. 骨髄バンクドナー登録

【達成】パートナーと文鳥さんの写真集をマンスリーベストショット方式で年末に作成する

これは毎月末にパートナーと写真を選ぶ作業を続けてきた。

アルバムは「コイデカメラ」の「ソフトカバーA5」というサービスを利用することも決めた。

ソフトカバーA5(写真仕上げ)- コイデカメラで写真プリント

しかし、ベストショットが現在159枚ありさすがにもう少し絞り込む必要がある。

だがここで作業がとまっている。

あとは手元で行える作業なので今月中にはやろう。

1ヶ月ぐらいの遅れはゆるそうや働きすぎ日本人。

ということでこれは達成。

【未達】手話の勉強を始める(テキストを買う)

これは、2021年にパートナーと「共通の第二言語をもとう」という目的で始めたもの。

2021年は完全にサボり、そして2022年は「あ」から「ん」までを上半期コツコツやっていたのだが、下半期は完全にさぼった。

パートナーは順調に語彙を増やし成長しているが、わたしは丸二年かけて学習習慣の構築に失敗した。

今年はどうするか。

ドイツ語学習とどう両立するかを真面目に考えないとダメだとわかっているのでまずはその解決が上半期目標としよう。

下半期はそれが軌道に乗り日常化できたらいいぐらいが現実的だろう。

ということで2022年は未達。

【未達】読書時間を増やす(月2冊)

視力が落ち読書量が激減しているので何とか増やそうと立てた目標。

2022年の読書は以下のとおり。

  • 1月
    • 前夜 (ツチヤ タカユキ)
    • 三体Ⅲ 死神永生 上 (劉 慈欣)
  • 2月
    • 三体III 死神永生 下 (劉 慈欣)
    • Blazor入門 (増田 智明)
  • 3月
    • 物語 ウクライナの歴史―ヨーロッパ最後の大国 (黒川 祐次)
    • カールの降誕祭 (フェルディナント・フォン・シーラッハ)
    • ワン・モア (桜木 紫乃)
  • 4月
    • ユービック (フィリップ・K・ディック)
  • 5月
    • 刑罰 (フェルディナント・フォン・シーラッハ)
  • 6月
    • 有罪答弁 上 (スコット・トゥロー)
  • 7月
    • オカンといっしょ (ツチヤ タカユキ)
    • 有罪答弁 下 (スコット・トゥロー)
  • 8月
    • 令和元年のテロリズム (磯部 涼)
    • とんでもなく役に立つ数学 (西成 活裕)
    • 資本主義リアリズム (マーク・フィッシャー)
  • 9月
    • くらしのアナキズム (松村圭一郎)
  • 10月
    • ゼロ時間へ (アガサ・クリスティー)
  • 11月
    • 自民党の統一教会汚染 追跡3000日 (鈴木 エイト)
    • 忘れられた巨人 (カズオ イシグロ)
  • 12月
    • オリガ・モリソヴナの反語法 (米原 万里)

計20冊。みごとに目標は未達成。

視力の方は「乱視がひどいですねー」と眼科で診断を下され治療をしている。

読みたい本と積読は完全に来世と来々世でも足りないほどに増えている。

今年は少しでも視力が回復し、なるべく明るい時間帯に読書をすることで読書量を増やしたい。

ちなみにマンガはこれらを読んだ。

  • ゴールデンカムイ
  • クマ撃ちの女
  • チェーザレ
  • チェンソーマン
  • 紛争でしたら八田まで
  • BLUE GIANT EXPLORER
  • ひらばのひと
  • 運命の女の子
  • チ。―地球の運動について―
  • 現実逃避してたらボロボロになった話

ゴールデンカムイは最終巻に合わせて1巻から読み返した。

終わってしまったのだよな金カム。

物語の内容はもちろん、終わり方も初感覚の作品だった。

チェンソーマンはカラー版で楽しんだ。

登場する悪魔たちは、わたしの中にある受け入れがたい業であったり、社会であったり、この世界そのものだった。

読む人それぞれに異なるメタファーを感じるのだろう。

わたしは新井英樹の『ザ・ワールド・イズ・マイン』に似たカタルシスを感じるものだった。

『チ。』はまだ全巻読み終わっていないので今年の楽しみ。

その他は新刊を毎度買っている作品。

今年もどんなマンガに巡り合えるのか楽しみ。

【未達】Duolingo ドイツ語終わらせる(2024年まで)

これは語学学習のスマホアプリでドイツ語勉強をやっているもの。

コロナ禍で色々きもちが不安になる中、没頭してしばし現実逃避できることとして始めた。

とりあえず毎日欠かさずやったが終わらなかった。

つまりこれは目標が甘かった。

やり続ける過程でDuolingo以外の角度からドイツ語に触れたいと思い始めたのが以下。

  • >ドイツ語の音楽を聞く
  • >
  • >ドイツ語学習のPodcastを購読
  • >
  • >ドイツ語文法の学習書籍を購入
  • >

音楽はYoutubeで「deutsch musik 2022」を検索し出てきたプレイリストを日常的に聴くようになった。

お気に入りは「257ers」というラップユニットと「Namika」というシンガーと「AnnenMayKantereit」というバンド。

257ERS - YouTube

Willkommen auf dem offiziellen Selfmade Records Youtube Channel! Hier findest du die besten Videos d

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Namika - YouTube

Music video by Namika performing Kompliziert. (C) 2016 Sony Music Entertainment Germany GmbHhttp://v

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AnnenMayKantereit - YouTube

Music video by Namika performing Kompliziert. (C) 2016 Sony Music Entertainment Germany GmbHhttp://v

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Podcastは「Vollmond」というオンラインドイツ語レッスンのサービスを行っているkomachiさんという方の配信を購読している。

ドイツ語学習スクール「Vollmond (フォルモント)」

ドイツ語オンラインレッスンが日本語で学べる、初心者にもおすすめの教室。プライベートレッスンや少人数レッスンなど、個人に合った学習方法が選べます。

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Podcastで「ゲーテ(Goethe)」なるドイツ語資格を知った。

とりあえず始めたドイツ語学習だが、せっかくなので資格試験を目指してみようかなと思った一年だった。

結果としては未達。

【未達】倫理を学ぶ(入門書を買う)

法治国家信者です。

そして法の前にあるのが倫理哲学道徳だろう、ということで真面目に座学しようと思い立った。

キッカケはNHKのこのドラマ

ここは今から倫理です。 - NHKcitation_twittercitation_facebook

20代を中心に異例の人気を誇る雨瀬シオリの異色の学園コミック『ここは今から倫理です。』を実写ドラマ化。日々価値観が揺さぶられ続けるこの世界で、新時代のあるべき「倫理」を問う。誰も見たことの無い本気の学

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だがみごとに何も手をつけなかった、はい。

やった方がいい、絶対いい、と確信しているにも関わらず、まったく見向きをしなかったことをよくよく顧みる必要がある。

新しいものに手を出す心理的余裕がなかったのかもしれない、といまふと思ったけど言い訳だな。

学ぶといいつつ読書でもあるので、とりあえず今月中に入門書を一冊買うべし。

完全未達ということで。

【達成】骨髄バンクドナー登録

これは昨年始まって早々に実行した。

最寄りの赤十字献血センターに行き、検査を受けあっという間に完了した。

ほんの短時間で済むことだったのになぜこれまでやらなかったかと悔やんだ。

もしかしたら助かった命があったかもしれないと、ドナー登録することで強い実感が湧いたのだ。

未だ連絡は無いが、適合する通知が来たら必ず提供する。

自分が患者になる可能性もある。

登録は簡単、短時間で済むので関心がある方はぜひドナー登録をしてみてほしいと思う次第。

骨髄バンクスペシャルサイト検索

骨髄バンクスペシャルサイト 教えて 骨髄バン子ちゃん! いのちを繋げる。みんなで知ろう、骨髄バンクの情報発信サイト。

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やること振り返りのまとめ

結果としてはこんな感じ。

前年同様、2/6というヒドイ結果。

  1. パートナーと文鳥さんの写真集をマンスリーベストショット方式で年末に作成する → 達成
  2. 手話の勉強を始める(テキストを買う) → 未達
  3. 読書時間を増やす(月2冊) → 未達
  4. Duolingo ドイツ語終わらせる(2024年まで) → 未達
  5. 倫理を学ぶ(入門書を買う) → 未達
  6. 骨髄バンクドナー登録 → 達成

目標の立て方が悪いのは確かだが、死ぬまでにやっておきたいことでもある。

一度外したり緩めたりすると、わたしの性質上、消滅しかねないので高めの設定で行くのは変えない方がいいと思ったりはする。

年々自分に甘くなっている気はするが、昨年はこれでも頑張った方と思うぞ、わたし。

とりあえず目標の結果検証は以上。

その他やったこと

2022年の個人トピックスとして記録しておきたいことなど。

観に行ったもの

生まれて初めてお笑いライブに行った年でもあった。

観たのは2本。

一つ目は、真空ジェシカ×吉住ツーマンライブ「GATSUMORI」。

二つ目は、Dr.ハインリッヒ単独ライブ 『原液、形而上学』。

Dr.ハインリッヒの方は記事も書いた。

Dr.ハインリッヒ(ドクターハインリッヒ) 単独ライブ 『原液、形而上学』 を体験してのこと 【日記】 | neputa note

お笑いコンビ「Dr.ハインリッヒ」の単独ライブを体験してきた。その存在を知り、未だ体験したことのないDr.ハインリッヒの漫才に魅了されたのは3年ほど前でしかない。Dr.ハインリッヒのYoutubeチャ

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その他、映画館は『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』と『犬王』だけだった。 来年はもっと映画館行こう。

Netflix(映画)

映画館に行く機会が減ったのはコロナ禍もあるがNetflixが最も大きな理由だ。

2022年も素晴らしい作品にたくさん出会うことができた。

Netflix(ドラマ)

わたしにとって一番の時間泥棒はNetflixのドラマ。

以前のように一気観はせず、最近は夕飯後に1~2話ずつ観るようになったとはいえ累積時間はかなりのもの。

特に面白かった作品は記事を書いたりつぶやいたりしていた。

全部見てノーリアクションの作品もあるので費やした時間は相当なものだろう。

わたしにとって数少ない娯楽なので無理に減らすことはしないけども。

Netflixおすすめドラマ『You Don't Know Me』 英国発の法廷ミステリ | neputa note

英国Londonの「法廷」が主な舞台。主人公は車のセールスマンである青年。法廷における立場は「被告人」。理由は後述するが、彼は「South London」で暮らす「黒人」であることを付け加えておく。4

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2023年にやること

今年は昨年達成した2つを入れ替えた以下6つを目標に生きる。

  1. 手話の勉強を始める(テキストを買う)
  2. 読書時間を増やす(月2冊以上)
  3. ドイツ語資格試験「ゲーテA1」相当のレベルに達する
  4. 倫理を学ぶ(入門書を買う)
  5. スマホアプリのアップデートをする
  6. 勤務先の基幹システム設計に着手する

各目標の詳細

手話の勉強を始める(テキストを買う)

今月中に買う。とりあえず買う。そして毎日すこしでも手話に接する方法を考える。

ラジオ、Podcastと聴くメディアを好むわたしにとって、視覚でコミュニケーションを取る言語を学ぶことはかなり工夫が必要なことが分かっている。

パートナーがどんどん習得しているので頑張ろうという気持ちは強い。

まずは一歩を今月中に踏み出す。

読書時間を増やす(月2冊)

視力を解決できないかぎりは、できるだけ朝、あるいは昼に読書時間を設けるしかない。

読みたい本はたくさんあるし増えていく一方なので朝15分、できれば30分ぐらい読書する習慣を身につけるべし。

あとオンライン上で読書会をしている人たちのところに勇気を出して参加することも本気で考えてみようと思う。

ドイツ語資格試験「ゲーテA1」相当のレベルに達する

これはドイツの国が主催している資格試験で世界で通用するものらしい。

Goethe-Zertifikat A1: Start Deutsch 1 - Goethe-Institut Japan

年初に行われるので今年は無理だ。

なので今年いっぱいで合格できるレベルまで学習し、2024年の申し込みを今年の年末にするところまでを目標にがんばる。

Duolingoは語彙を増やす目的で継続し、文法を解説書で体系的に叩き込むべし。

そして試験問題集を買って、これまでの学習を形にしたい。

そしてフェルディナント・フォン・シーラッハの原書を読めるようになりたい。

倫理を学ぶ(入門書を買う)

これも、今月中に良さげな一冊を探して買う。

今月中に手元に置く。

目立つところに置く。

すべてはそれからの話しだ。

スマホアプリのアップデートをする

以前、個人開発した睡眠記録をつけるスマホアプリがある。

アラフォー初心者だけどスマホアプリを開発~リリースまでがんばってみた【Android・Xamarin.Forms】 | neputa note

この度、素人ながらスマホアプリ開発に挑戦してみました。今回の記事では概要と経緯について書き綴ってみたいと思います。実際に行った作業の詳細は、今後それぞれ記事を書き、こちらにリンクを追記します。作っ

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開発で使用していたフレームワークが大きく変わる(Xamarin.formsからMAUIへ)ため、そのあとにやろうと先延ばししているうちに2022年はまったくやらなかった。

プログラミングは好きなので、目標に加えずともやるだろうと思ったらこれだ。

わたしはわたしという人間を甘く見過ぎていた。

今年はやろう。

まずはMAUIのチュートリアルでどんなもんか確認し、移行作業を年内目標でやる。

勤務先の基幹システム設計に着手する

仕事のことはプライベートの個人目標とは別と思っている。

勤務先は高齢のワンマン社長の信念にもとづき紙とFAXがスタメンを張っている。

そして、関連会社との関係でどうしても必要なITインフラをわたしが全部やるという体制。

だが社長の年齢を考慮し、いつでも社長が手を止めてもシステムでフォローできるカタチにしないと、とずっと思っているがずるずる先延ばしてきた。

予算をもらって職場でやろうにもお元気なうちは首を縦に振ることはないだろう。

なので、趣味もかねて個人的にやろう、そろそろ準備を開始しようと思った次第。

業務の種類・量ともにそう多くは無い。

いま一度業務設計をし、要件をまとめるところまでやる。

がんばれ、わたし。

さいごに

21世紀も20世紀と変わらない。

世紀の初めにデカい戦争するのが人類なのだと思い知り愕然とした2022年だった。

今年はどうなるかなんて今の時点ではあまり明るく考えることはできないけれど、昨年同様とりあえずやれることをやって生きていこう。

家族であるパートナーと文鳥さんと共に。

【日記】2022年やったこと、2023年やること