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あらすじ
1960年代のチェコ、プラハ。主人公で日本人留学生の小学生・弘世志摩が通うソビエト学校の舞踊教師オリガ・モリソヴナは、その卓越した舞踊技術だけでなく、なによりも歯に衣着せない鋭い舌鋒で名物教師として知られていた。大袈裟に誉めるのは罵倒の裏返しであり、けなすのは誉め言葉の代わりだった。その「反語法」と呼ばれる独特の言葉遣いで彼女は学校内で人気者だった。そんなオリガを志摩はいつも慕っていたが、やがて彼女の過去には深い謎が秘められているらしいと気づく。そして彼女と親しいフランス語教師、彼女たちを「お母さん」と呼ぶ転校生ジーナの存在もいわくありげだった。
物語では、大人になった志摩が1992年ソ連崩壊直後のモスクワで、少女時代からずっと抱いていたそれらの疑問を解くべく、かつての同級生や関係者に会いながら、ついに真相にたどり着くまでがミステリータッチで描かれている。話が進むにつれて明らかにされていくのは、ひとりの天才ダンサーの数奇な運命だけではない。ソ連という国家の為政者たちの奇妙で残酷な人間性、そして彼らによって形作られたこれまた奇妙で残酷なソ連現代史、そしてその歴史の影で犠牲となった民衆の悲劇などが次々に明らかにされていく。
読書感想
主な登場人物
長い長い物語なのでたくさんの人物が登場する。巻頭に人物一覧があるのだが、わたしなりに受けた印象を盛り込んだ上であらためて一覧化してみる。
弘世志摩 シーマ シーマチカ
少女時代をソ連邦支配下のチェコで過ごした日本人女性。帰国後はダンサーの道をあきらめ翻訳家として生きる。シーマチカの設定は著者のそれと瓜ふたつ。ソ連崩壊後にチェコで教えを受けた恩師オリガ・モリソヴナの謎を解き明かしていく。本作における物語推進役。
オリガ・モリソヴナ
謎多きエキセントリックな名物舞踏教師。かなりキャラが立っている。子どもたちの失敗に美辞麗句を浴びせかける反語法の使い手。本作品の主軸であり彼女の生きざまに、わたしたちは酔いしれるのだ。
エレオノーラ・ミハイロヴナ
古風な美しいフランス語を操るフランス語教師。心ここにあらずの雰囲気をまとうその理由に涙せよ。オリガのずっ友であり戦友のような存在でもある。
ミハイロフスキー大佐
チェコのソ連大使館に所属する軍人。知れば知るほどクソ野郎だがじつは真実の底は深い。混迷の時代においては人を簡単に評価してはならない。
カーチャ
本好きなシーマチカの同級生。のちに図書館員になる夢を叶える。シーマチカとは今も昔も大親友。オリガの謎解きをしっかりサポートする。愛すべきキャラの持ち主。
ジーナ
シーマチカの学校に転校してきた東洋の血を引く踊りの才能豊かな謎多き人物。オリガとエレオノーラを「ママ」と呼ぶ。オリガの謎解きのラストピース。
レオニード
感情を失ったようなグリーンの瞳が特徴の少年。シーマチカの一学年うえの上級生であり、シーマチカの初恋の相手。ヒドイ時代の悲しき運命を背負った彼に深く同情する。
コズイレフ
レオニードの父でありソ連の著名な哲学者。のちに不審な死を遂げる。社会主義の世界では名を成すものはみな死ぬ(偏見)。
ナターシャ
シーマチカがオリガの謎解きの過程で出会うダンサー。彼女との偶然の出会いが物語を一気に加速する。
マリヤ・イワノヴナ
ソ連時代から崩壊後にいたるまで劇場の衣装係をつとめる老女。真の歴史を語れるのはマリヤのように生き残った者の証言のみである。
ガリーナ・エヴゲニエヴナ
夫のスパイ容疑に巻き込まれソ連のラーゲリ(強制収容所)送りにされた体験をつづった手記を書いた人物。この手記がオリガの謎解きの最初の取っ掛かりとなる。「ラーゲリ」という言葉は地獄の響きをもつ。
感想
冒頭、冷戦下のチェコ・プラハにある「ソビエト大使館付属八年生普通学校」の講堂の舞台で、本作品を象徴する「オリガ・モリソヴナの反語法」で物語は幕をあける。
「ああ神様! これぞ神様が与えて下さった天分でなくてなんだろう。長生きはしてみるもんだ。こんな才能はじめてお目にかかるよ! あたしゃ嬉しくて嬉しくて嬉しくて狂い死にしそうだね!」
「反語法」、つまり上記のセリフは言葉のとおり礼賛を意味しない。ダンスの授業で踊りをまちがえた少年にオリガが浴びせた叱責、皮肉である。
自称50歳、実際は70を超えているであろう誇り高き舞踏教師「オリガ・モリソブナ」、彼女は言い知れぬ不思議な魅力に溢れている。
彼女の反語法には、強烈であるが痛快な響きがある。
本書のタイトルずばりの「オリガ・モリソブナの反語法」は、いつ何処でどのように生まれたのか。内容とタイトルがここまで美しく調和する作品もめずらしい。それこそが読みどころであり、作品がもっとも主張するところなのだ。
第二次大戦以前、ロシア革命、冷戦、ソ連崩壊、と20世紀を通して描かれる大河小説でもある。そして、世界情勢と等しく、ロシアの国内情勢も時代が古いほどヤバさヒドさは増し増しだ。
現在も言論に統制がかかった国ロシアだが、オリガの若かりし頃はシャレにならない。少しでも疑いがあればラーゲリ逝きが確定する。
ラーゲリ(露: Лагерь)とは、ソビエト連邦における強制収容所を指すが、本来はキャンプを意味するロシア語の単語であり、夏休みの子供キャンプ、合宿、宿泊施設も意味する。
ラーゲリについては山崎豊子の『不毛地帯』で知った。シベリアなど僻地にあり、人が人でいられるギリギリの環境というイメージがある。
そのような過酷な環境をサバイブしたオリガ・モリソブナは、その後も続く混乱の時代をどのように見ていたのだろうか。
小説の登場人物であり、時代も異なるのは分かっている。だが、本書を読み終えたとき、わたしは心の底からオリガに会ってみたい、話しを聞いてみたいと思った。
なにもロシアに限ったことではないが、世界中どこでも歴史を作りたがる輩がいる。そういった輩によって歴史が書かれてきた。
だが権力を手にした者たちが書く歴史はいつだって都合のよいことばかりだ。不都合なことは無かったことに。権力が人に抱かせる万能感はそういった行為をあたりまえにしてしまう。今だってそうでしょう。
だが実際に歴史を作ってきたのは彼らではない。歴史には書かれていない無数の名もなき人々が、わたしたち人間の命をつないできたのだ。
権力の側が行うのは争いによる断絶であり、簡単に入れ替わり、消えてなくなる。
スターリン、フルシチョフと時の権力者が失脚し歴史から消え去るなか、時代に翻弄されつつも誇り高く生き抜いたオリガの人生は美しく輝かしいものだった。
小説は素晴らしい。歴史書と違い、オリガ・モリソブナのような人の人生を読むことができる。富や権力を手にしたわけではないし歴史的偉業を成したわけでもない。だが、実に魅了される人物であり生き様だ。
わたしがもっとも読みたいのはオリガのような「誰か」の物語なのだ。
特に印象深い箇所の引用
以降、ネタバレを含みます。
思わず付箋をぺたりと貼った特に印象深かったところを残す。
ガリーナ・エヴゲニエヴナによるラーゲリの回想
シーマチカが手記について話しを聞こうとガリーナ・エヴゲニエヴナの元をおとずれた場面。ガリーナが語った数あるエピソードの中で、芸術が彼女たちの心を支えた話しがもっとも印象的だった。
自由の身であった頃、心に刻んだ本が生命力を吹き込んでくれたんですよ
ラーゲリという自由そして人としての最低限の尊厳すらも剥奪され、食べものや水もろくに与えられず、心身ともにギリギリの状況下において、自由だった頃に読んだ本や観た舞台、音楽を収容された女性たちは代わるがわる演じ互いを楽しませた。
人間は夢や希望を抱くことさえできれば、なんとか地獄のような状況でも生き抜けることができるという話しだった。つまり反対にどれだけ物質的な豊かさや行動の自由があったとしても夢や希望がゼロでは生きていられない。
生々しいラーゲリの描写と相まってインパクトがあり、また作品通じて最も筆者の筆に力がこめられたと感じる場面でもあった。
生死を選択する自由
ラーゲリに収容されたオリガが絶望のあまり死を望むようになる。だが所持品の一切を奪われた彼女は刃物を手に入れようとやっきになる。
それで、ある日、発見したんだ。靴紐は取り上げられていたけれど、靴ひもを引っ掛けるための掛け金が靴に残っていたのを。その掛け金を外して、曲がっているのを真っ直ぐ伸ばして、毎日床石に当てて少しずつ研いでいった。こうして自分で刃物を手にした瞬間、途轍もない解放感を味わったんだ。自由を獲得したと思った。あたしの生死はあたし自身で決めるって。
刃物を手にしたオリガから自殺する気持ちは消え去り、絶対に生き抜いてやると命の火を燃やす。
死ぬことすら許されないというのはある意味で究極的な不自由なのかもしれない。
オリガが刃物を手にしたときに感じた「途轍もない解放感」を想像したとき、わたしの魂は激しくゆれた。
オリガ・モリソヴナの反語法、誕生秘話
平和な時代ではただの嫌味たっぷりな言い回しにも受け取られかねないオリガの反語法はいつどのように生まれたのか。
オリガはラーゲリに向かう護送列車で刑事反の女たちに出会う。
彼女たちは大人しく看守たちに従うことは決してない。団結し、身体を張り、自分たちの権利をとことん主張したという。
罵倒言葉のボキャブラリーは彼女たちから学んだものだった。
罵倒言葉と一緒に権力や権威にひれ伏さない生き方もね
そして、それらの言葉はオリガの強くたくましく誇り高く生きる精神を表現するものとして刻まれたのだ。
一聴して違和感や不快感があったとしても、人が放つ言葉が、いついかなる状況でその人に刻まれたのかを想像することはとても大切なことかもしれない。
著者について
米原万里(よねはら まり)
1960年、東京都生まれ、59~64年、プラハのソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院露語露文学修士課程修了。80年から同時通訳を始め、ソ連・ロシア関係の報道に従事。90年エリツィン来日時に随行通訳を務め、92年日本女性放送者懇談会SJ賞を受賞。95年『不実な美女か貞淑な醜女か』で読売文学賞、97年『魔女の1ダース』で講談社エッセイ賞を受賞。2002年4月『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』で第33回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
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日常の愚痴あるいは嘆きと諦念の狭間
久しぶりに母から電話があった。
「ドコモショップに行ったところ、思ったよりお金がかかったが大丈夫だろうか?」という話しだった。
意味が分からない。
もう少し詳しい話しを聞こうとすると、「電池がすぐ切れる」「新しいらくらくホン」「二万円払って2千円ぐらいしかお釣りがない」「保証金」「領収書がない」など、断片的なことを時系列や話しの筋もバラバラに投げつけてくる。
このようなやりとりは母とのあいだで幾度も繰り返されてきたことであり、わたしが驚くことはない。
ちなみにわたしと母は約2倍の年齢の開きがあり、母は80歳を超えている。
この文章は、どこにでもある高齢となった親と、中年となった子の不毛なやりとりだ。
退屈極まりないことをお約束する。
今回の電話の前に前提として、わたしが把握していたことは以下のとおりである。
- 母はドコモのらくらくホンを使用していること
- 用途は主に通話、メール、LINE、簡単な検索であること
- 4Gギガライトプランと通話し放題プランを契約しその他オプションは未契約であること
- 今の端末を使い始めてから約4年が経過していること
そして、聞き出した断片的な母の言い分を整理するとどうやら以下のとおりであった。
- バッテリーの充電が正常に行われなくなった
- 以前端末を購入したドコモショップに出かけ相談したところ機種変更を勧められ申し込んだ
- 端末代金は分割払いの他、その場で一万数千円を支払った
- 担当者が新しい端末へのデータ移行をおこない以前と変わらず使えている
問題は、3番目の「一万数千円を支払った」こと。
何の料金か分からない、「手数料」、「保証金」と言われた気がするとのこと。
この時点で驚く方がいるかもしれないが、わたしは慣れている。
わたしの母はよく分からないままに金を払うことがある。
そして、よく分からないままサインもして機種変更契約の手続きを終えてしまう。
恐ろしいが、よくあることだ。
しかし、何かしらの違和感を感じ連絡をしてきたのだ。わずかではあるが、社会に対する防衛機能が働いたのだと前向きに捉えよう。
何はともあれ、実際に書面や契約情報を確認しないことにはいかんともしがたい。明後日に会うこととなった。
母は電車で一時間ほどで行けてしまう場所に暮らしている。母はラッキーだろうが、わたしにとってはマイナスなことだ。
誰もが感じることだとは思うが、携帯電話やインターネットなどの契約はあまりに複雑怪奇だ。
高齢者が内容をしっかりと理解し手続きを行うなど至難の業である。
資本主義の世界では法の範囲内であれば倫理は無用。
もしかしたら高齢の母が理解できないことをいいことに、不当に支払いを求められたということも十分ありうる。
そうなった場合は戦わなくてはならない。非常に面倒だが。
となれば少しでもいくらかの弾丸は用意する必要がある。ということで簡単に調べてみると80歳以上の客に向けたこのような案内を見つけた。
携帯電話の購入を検討されている80歳以上のお客さまへ
お手続きにおいては、ご家族同伴でのご来店をお願いしております。
なお、お一人でのご来店の際は、店頭からご家族さまへお電話させていただく場合がありますので、来店時間について、ご家族さまと事前にご相談いただきご来店ください。
お電話でのご連絡を希望されない場合についても、事前にご家族さまへご相談の上、ご来店ください。
その他、丁寧に手続きの流れ、注意事項、店頭での手続きでは手数料がかかることなどが説明されている。
今回、母が利用したドコモショップは上記のような対応は行っていない。
この点はいざとなればツッコめるポイントになりそうだ。
そしてさらに「8日以内キャンセル」という制度があることを知る。
「8日以内キャンセル」のお手続き方法についてご紹介します。
これはもう勝ち確定ではないか。
しかも、ドコモは「8日以内キャンセル」を正しく運用しなかったことで総務省から行政指導を受けたとのこと。
あっという間に必殺の銀の弾丸を手に入れてしまった。何たるゆるゲー。
これだけルールが整備され公表されているのはそれだけ数多くトラブルが起きた証左であろう。
油断は禁物だがいずれにせよ悪いことにはならないだろうと幾ばくかの安堵の気持ちで後日、母と会った。
待ち合わせた駅構内のコーヒーショップに入り、母が持参した書類一式に目を通した。
「無い」と言っていた領収書は問題なく書類の中にあった。キレそう。いやこのぐらいではキレない。
そして明細に目を通していくと、端末購入代頭金として一万五千円、事務手数料三千円という項目を発見した。
端末代金から頭金を差し引いた金額が分割払いの合計と一致することも計算の結果あきらかとなった。
つまり、今回わたしの母がドコモショップで行った機種変更契約にはなに一つ問題は無かったのだ。
とはいえ、ドコモ側が定めた80歳以上の来客への対応を行ったこと、今も理解できていない高齢者と機種変更契約を締結してしまったこと、という2つの問題がある。
とりあえず契約内容に問題はないこと、相手の手続きに落ち度があるのでキャンセルできそうなことを母に説明した。
新しいらくらくホン端末は、以前よりも字が読みやすいからこのままで良いとのたまう。
いったいわたしは何に付き合わされたのか。ゆっくりとわたしの頭から血が下がっていくのを感じる。
おそらく今回の件は、
- 説明を受けた情報量が多かったために理解する気が失せ聞き流した
- そのうえで個人の感覚として「余計」と感じた代金を支払った
- 結果、納得いかない気持ちになった
といったところではないか。
さすがにわたしは軽くキレかかったが、なんとか耐えた。
耐えに耐えつつ、よく分からないままサインをしないこと、よく分からないまま金銭を支払うことはしないこと、このような注意はこれまで数えきれないほどしてきたことを母に伝えた。
そして、きっと今回の説明もまったくの無駄になるけど気にするな、と自分自身に言い聞かせた。
今回のことを単純に捉えてしまえば、身勝手な高齢の母親に息子が振り回されただけの話しだ。
ストレスはかなりのものがあったが、母はこんな感じでこれからも生きていくのだろうと思った。
運が良ければ大きなトラブルに見舞われることも無いだろうし、少なくとも80歳を過ぎるまで切り抜けてこれたのだ。
とはいえ逐一じぶんの言動を反省し悩むような正確のわたしは永遠に母と分かりあうことはないと確信している。
だが人は良く考えずに金を払い、後からおかしいと思えば誰かを巻き込むし、こんなことは毎日どこかで数多く起きていることだし、こうやって人類は今日までやってこれたのだ。
どっちが正しいとか正しくないということではない。
家族と言えども別々の個体なのだから別個の生き方をしてあたりまえなのだ。
百回以上は繰り返されてきたこのような不毛なやり取りが、わたしの中の諦念をより堅固なものにする。
ああ人間ってすばらしい。
ドコモショップに因縁つける母ーどこにでもある親子間の不毛なやり取り【日記】
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年末は一年を振り返る気分じゃないし、正月は新たな一年をあれこれ考える気分じゃない。日常が始まりようやく頭も回りだした。
過去を振り返ったり先を考えたりするのは年齢を重ねるにつれ億劫だ。
がんばれわたし、来年の自分のために。
2022年の振り返り
一年前は1月4日にこんな記事を書いた。
【日記】2021年やったこと、2022年やること | neputa note
年が明けたので昨年を振り返り、今年のことをぼんやり考えてみる。ブログという少ないながらも人目にさらされる場所に向き合うことは、怠惰な自分を動かすにはちょうどよい。(うっかり訪れてしまった方には申し訳な
2022年のやること、結果検証
2022年にやることとして挙げていたのは以下。それぞれの成果を検証する。
- パートナーと文鳥さんの写真集をマンスリーベストショット方式で年末に作成する
- 手話の勉強を始める(テキストを買う)
- 読書時間を増やす(月2冊)
- Duolingo ドイツ語終わらせる(2024年まで)
- 倫理を学ぶ(入門書を買う)
- 骨髄バンクドナー登録
【達成】パートナーと文鳥さんの写真集をマンスリーベストショット方式で年末に作成する
これは毎月末にパートナーと写真を選ぶ作業を続けてきた。
アルバムは「コイデカメラ」の「ソフトカバーA5」というサービスを利用することも決めた。
ソフトカバーA5(写真仕上げ)- コイデカメラで写真プリント
しかし、ベストショットが現在159枚ありさすがにもう少し絞り込む必要がある。
だがここで作業がとまっている。
あとは手元で行える作業なので今月中にはやろう。
1ヶ月ぐらいの遅れはゆるそうや働きすぎ日本人。
ということでこれは達成。
【未達】手話の勉強を始める(テキストを買う)
これは、2021年にパートナーと「共通の第二言語をもとう」という目的で始めたもの。
2021年は完全にサボり、そして2022年は「あ」から「ん」までを上半期コツコツやっていたのだが、下半期は完全にさぼった。
パートナーは順調に語彙を増やし成長しているが、わたしは丸二年かけて学習習慣の構築に失敗した。
今年はどうするか。
ドイツ語学習とどう両立するかを真面目に考えないとダメだとわかっているのでまずはその解決が上半期目標としよう。
下半期はそれが軌道に乗り日常化できたらいいぐらいが現実的だろう。
ということで2022年は未達。
【未達】読書時間を増やす(月2冊)
視力が落ち読書量が激減しているので何とか増やそうと立てた目標。
2022年の読書は以下のとおり。
- 1月
- 前夜 (ツチヤ タカユキ)
- 三体Ⅲ 死神永生 上 (劉 慈欣)
- 2月
- 三体III 死神永生 下 (劉 慈欣)
- Blazor入門 (増田 智明)
- 3月
- 物語 ウクライナの歴史―ヨーロッパ最後の大国 (黒川 祐次)
- カールの降誕祭 (フェルディナント・フォン・シーラッハ)
- ワン・モア (桜木 紫乃)
- 4月
- ユービック (フィリップ・K・ディック)
- 5月
- 刑罰 (フェルディナント・フォン・シーラッハ)
- 6月
- 有罪答弁 上 (スコット・トゥロー)
- 7月
- オカンといっしょ (ツチヤ タカユキ)
- 有罪答弁 下 (スコット・トゥロー)
- 8月
- 令和元年のテロリズム (磯部 涼)
- とんでもなく役に立つ数学 (西成 活裕)
- 資本主義リアリズム (マーク・フィッシャー)
- 9月
- くらしのアナキズム (松村圭一郎)
- 10月
- ゼロ時間へ (アガサ・クリスティー)
- 11月
- 自民党の統一教会汚染 追跡3000日 (鈴木 エイト)
- 忘れられた巨人 (カズオ イシグロ)
- 12月
- オリガ・モリソヴナの反語法 (米原 万里)
計20冊。みごとに目標は未達成。
視力の方は「乱視がひどいですねー」と眼科で診断を下され治療をしている。
読みたい本と積読は完全に来世と来々世でも足りないほどに増えている。
今年は少しでも視力が回復し、なるべく明るい時間帯に読書をすることで読書量を増やしたい。
ちなみにマンガはこれらを読んだ。
- ゴールデンカムイ
- クマ撃ちの女
- チェーザレ
- チェンソーマン
- 紛争でしたら八田まで
- BLUE GIANT EXPLORER
- ひらばのひと
- 運命の女の子
- チ。―地球の運動について―
- 現実逃避してたらボロボロになった話
ゴールデンカムイは最終巻に合わせて1巻から読み返した。
終わってしまったのだよな金カム。
物語の内容はもちろん、終わり方も初感覚の作品だった。
チェンソーマンはカラー版で楽しんだ。
登場する悪魔たちは、わたしの中にある受け入れがたい業であったり、社会であったり、この世界そのものだった。
読む人それぞれに異なるメタファーを感じるのだろう。
わたしは新井英樹の『ザ・ワールド・イズ・マイン』に似たカタルシスを感じるものだった。
『チ。』はまだ全巻読み終わっていないので今年の楽しみ。
その他は新刊を毎度買っている作品。
今年もどんなマンガに巡り合えるのか楽しみ。
【未達】Duolingo ドイツ語終わらせる(2024年まで)
これは語学学習のスマホアプリでドイツ語勉強をやっているもの。
コロナ禍で色々きもちが不安になる中、没頭してしばし現実逃避できることとして始めた。
とりあえず毎日欠かさずやったが終わらなかった。
つまりこれは目標が甘かった。
やり続ける過程でDuolingo以外の角度からドイツ語に触れたいと思い始めたのが以下。
- >ドイツ語の音楽を聞く >
- >ドイツ語学習のPodcastを購読 >
- >ドイツ語文法の学習書籍を購入 >
音楽はYoutubeで「deutsch musik 2022」を検索し出てきたプレイリストを日常的に聴くようになった。
お気に入りは「257ers」というラップユニットと「Namika」というシンガーと「AnnenMayKantereit」というバンド。
Willkommen auf dem offiziellen Selfmade Records Youtube Channel! Hier findest du die besten Videos d
Music video by Namika performing Kompliziert. (C) 2016 Sony Music Entertainment Germany GmbHhttp://v
Music video by Namika performing Kompliziert. (C) 2016 Sony Music Entertainment Germany GmbHhttp://v
Podcastは「Vollmond」というオンラインドイツ語レッスンのサービスを行っているkomachiさんという方の配信を購読している。
ドイツ語オンラインレッスンが日本語で学べる、初心者にもおすすめの教室。プライベートレッスンや少人数レッスンなど、個人に合った学習方法が選べます。
Podcastで「ゲーテ(Goethe)」なるドイツ語資格を知った。
とりあえず始めたドイツ語学習だが、せっかくなので資格試験を目指してみようかなと思った一年だった。
結果としては未達。
【未達】倫理を学ぶ(入門書を買う)
法治国家信者です。
そして法の前にあるのが倫理哲学道徳だろう、ということで真面目に座学しようと思い立った。
キッカケはNHKのこのドラマ
ここは今から倫理です。 - NHKcitation_twittercitation_facebook
20代を中心に異例の人気を誇る雨瀬シオリの異色の学園コミック『ここは今から倫理です。』を実写ドラマ化。日々価値観が揺さぶられ続けるこの世界で、新時代のあるべき「倫理」を問う。誰も見たことの無い本気の学
だがみごとに何も手をつけなかった、はい。
やった方がいい、絶対いい、と確信しているにも関わらず、まったく見向きをしなかったことをよくよく顧みる必要がある。
新しいものに手を出す心理的余裕がなかったのかもしれない、といまふと思ったけど言い訳だな。
学ぶといいつつ読書でもあるので、とりあえず今月中に入門書を一冊買うべし。
完全未達ということで。
【達成】骨髄バンクドナー登録
これは昨年始まって早々に実行した。
最寄りの赤十字献血センターに行き、検査を受けあっという間に完了した。
ほんの短時間で済むことだったのになぜこれまでやらなかったかと悔やんだ。
もしかしたら助かった命があったかもしれないと、ドナー登録することで強い実感が湧いたのだ。
未だ連絡は無いが、適合する通知が来たら必ず提供する。
自分が患者になる可能性もある。
登録は簡単、短時間で済むので関心がある方はぜひドナー登録をしてみてほしいと思う次第。
骨髄バンクスペシャルサイト 教えて 骨髄バン子ちゃん! いのちを繋げる。みんなで知ろう、骨髄バンクの情報発信サイト。
やること振り返りのまとめ
結果としてはこんな感じ。
前年同様、2/6というヒドイ結果。
- パートナーと文鳥さんの写真集をマンスリーベストショット方式で年末に作成する → 達成
- 手話の勉強を始める(テキストを買う) → 未達
- 読書時間を増やす(月2冊) → 未達
- Duolingo ドイツ語終わらせる(2024年まで) → 未達
- 倫理を学ぶ(入門書を買う) → 未達
- 骨髄バンクドナー登録 → 達成
目標の立て方が悪いのは確かだが、死ぬまでにやっておきたいことでもある。
一度外したり緩めたりすると、わたしの性質上、消滅しかねないので高めの設定で行くのは変えない方がいいと思ったりはする。
年々自分に甘くなっている気はするが、昨年はこれでも頑張った方と思うぞ、わたし。
とりあえず目標の結果検証は以上。
その他やったこと
2022年の個人トピックスとして記録しておきたいことなど。
観に行ったもの
生まれて初めてお笑いライブに行った年でもあった。
観たのは2本。
一つ目は、真空ジェシカ×吉住ツーマンライブ「GATSUMORI」。
二つ目は、Dr.ハインリッヒ単独ライブ 『原液、形而上学』。
Dr.ハインリッヒの方は記事も書いた。
Dr.ハインリッヒ(ドクターハインリッヒ) 単独ライブ 『原液、形而上学』 を体験してのこと 【日記】 | neputa note
お笑いコンビ「Dr.ハインリッヒ」の単独ライブを体験してきた。その存在を知り、未だ体験したことのないDr.ハインリッヒの漫才に魅了されたのは3年ほど前でしかない。Dr.ハインリッヒのYoutubeチャ
映画『犬王』をシネマシティ極音上映で観た。冒頭の一幕で心を鷲掴みにされた。観て良かった。音すごかった。演者二人の歌すばらしかった。ただ作品通しての個人的な感想としては満足・不満足半々といったところでした。 #犬王 pic.twitter.com/3oAHQ4UkLM
— neputa (@h_neputa) July 13, 2022
Netflix(映画)
映画館に行く機会が減ったのはコロナ禍もあるがNetflixが最も大きな理由だ。
2022年も素晴らしい作品にたくさん出会うことができた。
映画『The Guilty』すごかった。場所はひと続きのワンフロアのみ、目まぐるしく展開する誘拐事件を音声のみで繰り広げる90分。二元論による安易な裁きを封じる構成もまた素晴らしい。https://t.co/kQbZEBLJBt
— neputa (@h_neputa) January 9, 2022
三体のこのセリフを読んだ後に観た映画『ドント・ルック・アップ』は、なかなか来るものがあった。 | 『ドント・ルック・アップ』予告編 - Netflixhttps://t.co/036w0XyGDr
— neputa (@h_neputa) January 20, 2022
今週末は『紛争でしたら八田まで 9巻』で監修を行っている川口貴久さんおすすめのスパイ映画5作品を観る。
— neputa (@h_neputa) May 13, 2022
『ゼロ・ダーク・サーティ』
『シリアナ』
『工作 黒金星と呼ばれた男』
『フェア・ゲーム』
『誰よりも狙われた男』 pic.twitter.com/yxSgSyoQIa
スウェーデンの映画『幸せなひとりぼっち』、タイトルに偽りなしの素敵な作品だった。何度も笑って何度も泣いた。グッとくるシーンがいくつもあった。https://t.co/cGmwZNI9ar
— neputa (@h_neputa) August 13, 2022
映画『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』、めちゃ良かった。他作品で知ったオリビア・クック目当てに観たけど主演の演技素晴らし過ぎた。絶望から再生に向かう心情がずっと表情でわかる。考えさせられるし感動する。良き映画。 https://t.co/COKe3RAVNb
— neputa (@h_neputa) August 28, 2022
Netflix(ドラマ)
わたしにとって一番の時間泥棒はNetflixのドラマ。
以前のように一気観はせず、最近は夕飯後に1~2話ずつ観るようになったとはいえ累積時間はかなりのもの。
特に面白かった作品は記事を書いたりつぶやいたりしていた。
全部見てノーリアクションの作品もあるので費やした時間は相当なものだろう。
わたしにとって数少ない娯楽なので無理に減らすことはしないけども。
Netflixおすすめドラマ『You Don't Know Me』 英国発の法廷ミステリ | neputa note
英国Londonの「法廷」が主な舞台。主人公は車のセールスマンである青年。法廷における立場は「被告人」。理由は後述するが、彼は「South London」で暮らす「黒人」であることを付け加えておく。4
ドラマ『ダーマー』、これは目をそらさず最後まで観ようと謎の使命感でがんばってるけど一日一話が限界。物語はキツイけど質の高い映像作品だと思う。
— neputa (@h_neputa) October 5, 2022
Netflixドラマ『ダーマー』好発進、全米を震撼させたシリアルキラー描く ─ 被害者家族から批判の声も https://t.co/QioUm9Yj8W @the_river_jpより
ドイツ東西の壁崩壊前後が舞台のドラマ『KLEO』たのしい好き。演者も背景も物語もみんなよい。ファッション的な意味合いでださいけど東側の景色はたまらなく好き。#Netflixhttps://t.co/wBX1OYB3b2
— neputa (@h_neputa) October 23, 2022
『1899』(Netflix) のシーズン1面白かった。設定が複雑で途切れそうになる集中力を上質な演技が繋ぎ止めてくれる。完結まだ先だからゆっくり観ればよかった。 │
— neputa (@h_neputa) December 26, 2022
『ダーク』クリエイターの最新作『1899』、シーズン3で完結?シーズン1の役割とは https://t.co/PljtVashXE @dramanaviより
アダムス・ファミリーのスピンオフドラマ『ウェンズデー』面白かった。わたしの中では成長譚を描いた青春学園ドラマ。
— neputa (@h_neputa) December 14, 2022
ティム・バートンの作品は心に残るものが多い。https://t.co/vtAouUdMi8
2023年にやること
今年は昨年達成した2つを入れ替えた以下6つを目標に生きる。
- 手話の勉強を始める(テキストを買う)
- 読書時間を増やす(月2冊以上)
- ドイツ語資格試験「ゲーテA1」相当のレベルに達する
- 倫理を学ぶ(入門書を買う)
- スマホアプリのアップデートをする
- 勤務先の基幹システム設計に着手する
各目標の詳細
手話の勉強を始める(テキストを買う)
今月中に買う。とりあえず買う。そして毎日すこしでも手話に接する方法を考える。
ラジオ、Podcastと聴くメディアを好むわたしにとって、視覚でコミュニケーションを取る言語を学ぶことはかなり工夫が必要なことが分かっている。
パートナーがどんどん習得しているので頑張ろうという気持ちは強い。
まずは一歩を今月中に踏み出す。
読書時間を増やす(月2冊)
視力を解決できないかぎりは、できるだけ朝、あるいは昼に読書時間を設けるしかない。
読みたい本はたくさんあるし増えていく一方なので朝15分、できれば30分ぐらい読書する習慣を身につけるべし。
あとオンライン上で読書会をしている人たちのところに勇気を出して参加することも本気で考えてみようと思う。
ドイツ語資格試験「ゲーテA1」相当のレベルに達する
これはドイツの国が主催している資格試験で世界で通用するものらしい。
Goethe-Zertifikat A1: Start Deutsch 1 - Goethe-Institut Japan年初に行われるので今年は無理だ。
なので今年いっぱいで合格できるレベルまで学習し、2024年の申し込みを今年の年末にするところまでを目標にがんばる。
Duolingoは語彙を増やす目的で継続し、文法を解説書で体系的に叩き込むべし。
そして試験問題集を買って、これまでの学習を形にしたい。
そしてフェルディナント・フォン・シーラッハの原書を読めるようになりたい。
倫理を学ぶ(入門書を買う)
これも、今月中に良さげな一冊を探して買う。
今月中に手元に置く。
目立つところに置く。
すべてはそれからの話しだ。
スマホアプリのアップデートをする
以前、個人開発した睡眠記録をつけるスマホアプリがある。
アラフォー初心者だけどスマホアプリを開発~リリースまでがんばってみた【Android・Xamarin.Forms】 | neputa note
この度、素人ながらスマホアプリ開発に挑戦してみました。今回の記事では概要と経緯について書き綴ってみたいと思います。実際に行った作業の詳細は、今後それぞれ記事を書き、こちらにリンクを追記します。作っ
開発で使用していたフレームワークが大きく変わる(Xamarin.formsからMAUIへ)ため、そのあとにやろうと先延ばししているうちに2022年はまったくやらなかった。
プログラミングは好きなので、目標に加えずともやるだろうと思ったらこれだ。
わたしはわたしという人間を甘く見過ぎていた。
今年はやろう。
まずはMAUIのチュートリアルでどんなもんか確認し、移行作業を年内目標でやる。
勤務先の基幹システム設計に着手する
仕事のことはプライベートの個人目標とは別と思っている。
勤務先は高齢のワンマン社長の信念にもとづき紙とFAXがスタメンを張っている。
そして、関連会社との関係でどうしても必要なITインフラをわたしが全部やるという体制。
だが社長の年齢を考慮し、いつでも社長が手を止めてもシステムでフォローできるカタチにしないと、とずっと思っているがずるずる先延ばしてきた。
予算をもらって職場でやろうにもお元気なうちは首を縦に振ることはないだろう。
なので、趣味もかねて個人的にやろう、そろそろ準備を開始しようと思った次第。
業務の種類・量ともにそう多くは無い。
いま一度業務設計をし、要件をまとめるところまでやる。
がんばれ、わたし。
さいごに
21世紀も20世紀と変わらない。
世紀の初めにデカい戦争するのが人類なのだと思い知り愕然とした2022年だった。
今年はどうなるかなんて今の時点ではあまり明るく考えることはできないけれど、昨年同様とりあえずやれることをやって生きていこう。
家族であるパートナーと文鳥さんと共に。
【日記】2022年やったこと、2023年やること

爆笑問題が大好きなので、同じタイタン繋がりで毎週木曜更新のウエストランドのネットラジオ「ぶちラジ」を良く聴いていた。
統一教会に関する「爆笑問題・太田光」の発言および炎上に対し思うことを言語化する【日記】 | neputa note
お笑い芸人「爆笑問題・太田光さん(以降、敬称略)」による統一教会に関する発言が毎週炎上している。参院選挙中の銃撃事件からはじまった一連について、わたしのような一般市民が語れることは少なく、感想の域を出
大ファンというわけではなかったが、昨今のコンプラやぺこぱ以降の「人を傷つけない笑い」の雰囲気に彼らはどうなるんだろうなと気になっていた。
ラジオを聞いていると、ネタ上の役割とは打って変わり、井口さんは極めて常識的であり、河本さんは人としてかなりヤバいことが分かる。
またネタも徐々に変化している。
以前はほとんどが井口さんの自虐が中心にあった。
そしてもう自分自身を消し去るほど自虐をやり尽くした今、彼らは結構な角度で世界を罵るまでに進化した。
今年に入ってから、河本さんはリフォームの仕事がメインとなり、井口さんはピンでテレビの仕事が忙しくなっている様子だった。
だが、ウエストランドの頭脳である井口さん、彼は以前より忙しくなった日常に押し流されることなくジッと世界を見ていたのだと思う。
定期的に欠かさず出続けたお笑いライブの劇場の雰囲気。
かつて若くして出演した笑っていいともの頃とは激変した令和のテレビ業界の様子。
積極的に発信を行っているネット上での反応。
そして生活の場でもある中央線沿線で生きる市井の人びとの空気すらも逃すことなく感じ取っていたのだと思う。
2年前のM-1、井口さんはネタ中で「こっちは無作為に傷つけるお笑いやってるんだよ!」「いいか、お笑いは今まで何もいいことが無かった奴の復讐劇なんだから!」と言い放った。
ラジオのジングルはその番組、ラジオパーソナリティの特徴を表現する。
彼らのネットラジオ「ぶちラジ」のジングルは「人の幸せって憎いじゃないっすか」「妬み、嫉み、僻み」をリピートする。
YouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。
魔女狩りのようなコンプラの嵐が吹き荒れるこの時代、たった一つのワード選択をミスっただけで芸人人生が終わるリスクがあるにも関わらず、彼らは、自分たちのアイデンティティであり強みでもある「ねたみ、そねみ、ひがみ」の純度100%ネタを引っ提げ、全力でアクセルを踏むことを決意したのだろう。
そして、目の前の観客、テレビの前の視聴者、そして審査員を笑いの渦に巻き込みM-1チャンピオンの称号を勝ち取った。
方々に文句を言い放つネタではある。
だが、彼は誰かを傷つけたいわけではない。
だただた、妬み、嫉み、僻んでいるのだ。
努力家である井口さんからすると、手っ取り早く少ない努力いやできればゼロ努力で人気やお金を稼ぐ方々がとにかく許せない。
ユーチューバー全員許せないではない。少なくはないショートカットして成功しちゃってるやつらが許せない。
コツコツお笑いやってりゃいいのにエモさで人気をブーストする芸人が許せない。
歌や踊りやトークを頑張ればいいのに他人の人気を利用しようとするアイドルが許せない。
逆に言えば努力する人々を尊敬しているのだろう。
そして本気で許せないわけではない。
技術と経験を駆使して何とかお笑いに昇華する努力を忘れないし、言葉は人を傷つけ傷つくものだということを自覚している。
またウエストランドのネタに限らず、どんな言葉であっても発した時点でどこかの誰かを傷つける可能性がある。ネガティブが人を傷つける可能性はもちろん、ポジティブな言葉であっても人は傷つく。言葉は曖昧である事物を限定する行為であるゆえに祝福にも呪いにもなり得ることを自覚しておきたい。
それよりなにより、大概のことは笑い飛ばせるぐらいの精神的・経済的な余裕ある暮らしをしたい。
何気ない言葉にピリピリせずに生きられる社会がほしい。
ハンデを抱えたり人と違うことがあたりまえの世界の訪れを心の底から願っている。
最後は脱線したけどウエストランドおめでとうございます。
そして、下から噛みつく立場からチャンピオンとなった今後、彼らを上回る妬み嫉み僻みを抱えた者たちにどう向き合うのか注目したい。
そして今年もM1おもしろかった。関わるすべての方々に心から感謝の気持ちを届けたい。以上、備忘録。
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M-1グランプリ2022 チャンピオン「ウエストランド」 【日記・備忘録】
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書籍の内容
安倍元首相と教団、本当の関係。
メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!
読書感想
何の誇張もない淡々とした取材ノートのような一冊。
その内容のほとんどが、いつ、どこで、どの政治家が統一教会と接点をもったか、を直接取材して周った記録の列挙である。
個別のケースに感情が大きく動かされることは少ない。
だが、国民の生命財産を守ることが使命であるはずの議員を目指すために、国民の生命財産を脅かす組織と協力関係にある、その事実が168人分もある。
これを前にすると否が応でもさまざまな考えや思いが頭をめぐった。
そこに、関心を呼び覚ますという点において本書の大きな価値を感じる。
統一教会(以降「教団」と記す)は日本を含む7カ国で「国教」となることを目指しているという。
政治に入り込み、権力の庇護のもと人びとの暮らしを破壊するようなカルト教団がすぐそこにある。この事実は恐怖でしかない。
とはいえ教団に限らず、権力の威を借り、非合法にあるいは反倫理的に目的を追求する団体はこの先いくらでも現れるだろう。
国民を守るために行使するための権力が、特定の個人や組織にいいように使われるてしまう現行の選挙システムは大きな問題があるように思う。
そしてなによりも最大の問題は「無関心」である、と痛感する。
マスメディアもそうだし、わたしを含め国民の多くは山上容疑者が弾丸を放ったその時まで、まったくと言っていいほど無関心だったはず。
その間に、教団は政界へと深く食い込み、活動の手を広げていたのだ。
より多くの声を法に反映させるための民主主義において、偏った思想や支配独占を試みる者たちをどのように防ぐかは非常に難しい。
難しいがゆえに向き合い続けなければならないし、そのためには無関心であることが最も罪であると思う次第。
本書を読む動機
以降は個人的な話しであり、書籍の内容に直接関係は無いので悪しからず。
6月の参議院選挙中に起きた銃撃事件はかなり衝撃的であった。
その後、さまざまな情報が報道されるなか、山上容疑者の家庭環境を知り、事件に対するわたしの関心は一気に高まることとなった。
「他人ごとではない」と感じたからだ。
私の母は良く言えば教育熱心、当事者の私からすれば毒親だった。
心身ともに追い込む教育は相当なものだった。
だが小学生の高学年にもなるとわたしの体もそれなりに大きくなり知恵も回りだす。
身体的な暴力を受けることが無くなったことをさいわいに、適当な嘘と言い訳を駆使し、親の毒牙から逃れることに成功した。
そしてその矛先は妹へと向かった。
バカがつくほど真面目な性格の妹は母の餌食となった。
そして小学校卒業を前に壊れた。
いくつもの精神疾患を抱えるに至ったのだ。
母は問題が起こるとその原因を自分の外に探そうとする。
論理よりも運命を信じる。
そんな人間にとって宗教は悲しいほど相性がいい。
先祖が悪かった、悪いオーラが出てる、信心が足りないなどなど。
どう見ても怪しいお祓いに付き合わされたこともあるし、後日妹から聞いた話で、朝、目が覚めたら知らないおばさんたちに囲まれ見おろされていたなんてこともあった。
母は怪しい宗教にいくつも手を出した。
小さな宗教団体が相手であっても出費はそれなりにかさみ、父と母はよく金のことで口論するようになった。
かなり地獄の様相を呈することとなった家族関係であったが、数年ののち、宗教関連とはいっさい手を切ることで決着しなんとか破滅は逃れることができた。
だが、今回の山上容疑者の境遇を知ったいまにして思うのは、母が手当たりしだいに手を出したあの中に、もしも統一教会がいたらどうなっていたのか。
想像するだけでも恐ろしい。
年齢も近い山上容疑者は別の世界線のわたしだったかもしれないとの想像から逃れることができないでいる。
もっともわたしは彼のような頭脳や器用さは持ち合わせていないので支離滅裂な何かで終わっていたかもしれない。
長くなったが、他人ごととは思えず、目をそらしてはいけないとの思いで本書を手にとった。
政治と教団の関係が報道のほとんどを占めるのはニュースバリューとして仕方が無いのかもしれない。
だが、無名の数多くある犠牲者たちにもっと関心が集まり、われわれ一人ひとりが無関心ではいられないと思える状況をわたしは強く望む。
著者について
滋賀県出身。日本大学経済学部卒業。日大入学後に上京、25歳頃まで音楽活動をしており、その後は不動産関連会社や児童館などに勤務した。2002年頃、報道番組で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による「偽装勧誘」の実態を知ったことをきっかけに、勧誘を阻止する活動を単身開始。新宿や渋谷で行われていた偽装勧誘の現場に割って入ったり、教団施設に乗り込んで勧誘を阻止するといった活動を続けるうちに、信者の心情や被害者を生む構造に関心を抱き、本格的にカルト問題に取り組むようになった。
Twitter:@cult_and_fraud
『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』 鈴木エイト 【読書感想とあらすじ】
目次 [隠す]
「Dr.ハインリッヒ 単独ライブ」体験以前
お笑いコンビ「Dr.ハインリッヒ」の単独ライブを体験してきた。
Dr.ハインリッヒ(ドクターハインリッヒ)は、吉本興業大阪本部に所属する一卵性双生児の姉妹からなる日本のお笑いコンビ。京都府出身。
Dr.ハインリッヒについては以前、M-1グランプリに関連して以下のような記事を書いた。
「生まれてすいませんへのアンチテーゼやないか」 Dr.ハインリッヒ(ドクターハインリッヒ)【M1グランプリ応援記事】 | neputa note
お笑い、特に漫才が好きです。そして年末と言えば「M-1グランプリ」が開催されますね。これを書いている2020年11月22日現在は、準々決勝が終わり、準決勝進出25組が決定しています。毎年楽しく視聴さ
その存在を知り、未だ体験したことのないDr.ハインリッヒの漫才に魅了されたのは3年ほど前でしかない。
Dr.ハインリッヒのYoutubeチャンネルを最初の動画から順番に視聴し「なぜ、もっと早くに知ることができなかったのか?」「大阪、あるいは関西圏に住んでいればどうだったか?」など、はげしい後悔にとらわれたりもした。
Dr.ハインリッヒの公式チャンネルです。ネタ等アップしていきます。よろしくお願いします。
そして、いつしか目の前でDr.ハインリッヒの漫才を見てみたいと強く願うようになった。
だが大きな波動の波に乗りはじめたDr.ハインリッヒの人気は急上昇。
チケット抽選は厳しいものとなった。
この春、待ちに待った東京単独!と勢いよく抽選に申し込んだもののあえなく惨敗。
しかし、お二人にとってはもちろんのこと、関係者や席を確保したファンの方々にとってどれほど残念であったか、このライブは延期となってしまう。
そして延期の結果、わたしは再販で当選する。
前回当選し今回落選の方には申し訳なさと、抑えきれない喜びの気持ち。
わたしは業が深く運命は非情だ。
この延期を乗りこえ開催に漕ぎつけてくださった皆様に感謝しつつ見れない人のぶんまで楽しんで来ようと思った次第。
「Dr.ハインリッヒ 単独ライブ」体験以降
さあ、「Dr.ハインリッヒ 単独ライブ in 東京 『原液、形而上学』」である。
単独ライブなど長丁場であれば、ゲストを呼んだり企画をやったりで時間をつなくライブも多々ある昨今。
漫才のみで挑む90分一本勝負。
最低限の演出、MCでゴリゴリ演奏のみで疾走した「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」のライブを思い出す。
ネタの詳細などは書かないほうがいいのだろう。たぶん。
配信もないこのライブ、あの空間あの瞬間のできごとは幸福な記憶として心にとめおくのが良いような気がする。
会場で流れた楽曲については構成作家ヨシピーさんこと吉岡様よりTwitterで公開されていたので引用させていただく。
客入れ
1.パール / THE YELLOW MONKEY
2.MY WINDING ROAD / THE YELLOW MONKEY
3.ホルン協奏曲 Op.8 第3楽章
4.ピンクパンサーのテーマ
出囃子
1.サイキック No.9 / THE YELLOW MONKEY
2.デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
3.SAILINGER / Blankey Jet City
4.ジプシー・サンディー / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
5.アイネ・クライネ・ナハトムジーク / モーツァルト
6.ヘッドライトのわくのとれかたがいかしている車 / Blankey Jet City
7.星空のディスタンス / THE ALFEE
8.SPAGHETTI HAIR / Blankey Jet City
9.聖なる海とサンシャイン / THE YELLOW MONKEY
10.ひとりぼっちのPretender / THE ALFEE
11.いとしのレイラ / エリック・クラプトン
エンディング・客出し
エレクトリック・サーカス / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
あと「Dr.HR」のロゴでせり上がってきたとき、オープニングにして感無量だったことは記しておきたい。
以降はライブを体験して沸き起こった感情や思考したことなどを記載するにとどめたい。
Dr.ハインリッヒの魅力について
今回、パートナーと共に浅草公会堂へと向かった。
会場に集まる1000人の人びとを目前にし、パートナーは「それぞれがそれぞれの感性でおもしろさを見出しているんだろう」といった内容のことを話していた。
そういえば、わたしはDr.ハインリッヒの何処を、何をおもしろい、あるいは魅力と感じているのだろう。
ライブ中はすっかり忘れていた問いだったが、帰りの電車のなかでさまざまな思いが頭をめぐり始めた。
今回のライブでは開演前、終演後の影ナレ(諸注意などのアナウンス)を幸(みゆき)さんが読みあげていた。(声の区別はついているつもりだが、彩(あや)さんだったらゴメンナサイ)
影ナレはいわゆる「インフォメーション」であり、おもしろ要素はゼロのはず。
だが、この影ナレがやたらおもしろい。聞けば聞くほど可笑しみが込み上げてくる。
これまでの人生で一度も使ったことのない脳細胞が刺激を受けたような未知なるおもしろさだ。
動画でネタやトークを見ていただきたいが、お二人の声やイントネーションは非常に似ている。
Dr.ハインリッヒの公式チャンネルです。ネタ等アップしていきます。よろしくお願いします。
これが示すことはつまり、わたしにとって、「Dr.ハインリッヒは、話している時点でもうすでにおもしろい」という事実だ。
Dr.ハインリッヒの漫才がなぜこんなにも好きなのか、おもしろいかについても色々思い当たった。
Dr.ハインリッヒの漫才が好きな理由1
個人的に、古今東西の演芸を含む「芸術」において、「笑い」をつくり出すことがもっとも難しいと思っている。
Dr.ハインリッヒは漫才師であり、漫才師とは話術とある程度の動作・所作でもって笑いを引き起こす芸。
「容姿振る舞いに対するイジリ」「自虐」「下ネタ」「はたくなど軽度な打撃」などは、笑いにつながりやすい要素としてこれまで多用されてきた。
がしかし、昨今ようやく広がりはじめたコンプラの波がお笑いの世界にも押し寄せてきた。
表現が狭くなる、笑いがとれないなどなど演者側からの悲鳴も耳にする。
だが、Dr.ハインリッヒは初めからそんなものは必要としていなかった。
自分たちの世界を追求し芸を磨き表現の幅を広げ、2022年10月7日の浅草公会堂1000人を笑いの渦で包んでみせた。
お笑いにおける傷つける傷つけない論争、漫才か漫才じゃない論争などM-1グランプリを機に毎年なにかしら話題が起こる。
そんな騒がしい世間をよそに、はるか高みをお二人がさわやかな風とともに駆け抜けていっているようにも感じた。
今年もM-1後になにかと話題が巻き起こるかもしれない。
だがDr.ハインリッヒはもうその次元にいない。
これはとんでもなくスゴイことだと思うのだ。
Dr.ハインリッヒの漫才が好きな理由2
結構な確率で、最初のワードで「?」となることがある。
一見なんの関連性のないワードが続いたり、会話の脈絡が見えなかったりするネタがある。
それらがあるタイミングで、キュッと一本の糸でつながる。
この瞬間、わたしはうつくしい円環が結ばれたような感覚を受ける。
わたしは、笑いの向こう側に恍惚とした光があることをDr.ハインリッヒの漫才で知った。
Dr.ハインリッヒの漫才が好きな理由3
Dr.ハインリッヒが扱うワードもまた良き。
以前、漫才中に登場するワードでつくられた展示映像があるので参考まで。
本や辞書で見た程度、およそ人が発話するのを聞いたことがないワード、それを、あのお二人の声をとおして初めて耳にする。
その瞬間、わたしの脳は誤作動を起こしているのだと思う。
これはどういう感情であるかうまい表現が見つからない。快感であり、おかしさが込みあげてくるのだ。
また漫才以外で聞いたことのある伝統や歴史の詰まったワードが予測を裏切るタイミングで放り込まれる瞬間も大好きだ。
またお笑いにおいて思想を帯びたワードは避けられる、あるいは「スカし」の対象となりがちと個人的に感じている。
だがDr.ハインリッヒの漫才においては異なる。
多くは幸さんの場合が多いが、強めのワードをドスンッ!と発すると、会場はドカンッ!と爆笑の渦。
その瞬間にわたしは時代に風穴があく爽快感のようなものを感じる。
書けば書くほどオタじみてくるのでこれぐらいで自制しよう。
さいごに
会場にいた1000の人たち、日本中にいるファンの方々、みなそれぞれの感性でDr.ハインリッヒの漫才やトークを堪能しているのだろうな。
偶然この記事を読んでしまった方もぜひDr.ハインリッヒの世界の扉を開いてみてはいかがだろうか。