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視覚に関する記録 05 【日記】

初稿:

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2025年に発症した視野の欠落、夜盲、羞明に関する記録の続き。

昨日、4か月ぶりの通院を終えた。今回の通院は、最初の検査からちょうど1年という節目でもあり、前回より詳しい検査を受けた。また、障害者手帳の申請に必要な手続きや、ロービジョンケアの専門医による診察もあり、盛りだくさんの内容だった。

これまで同様、今回の出来事や通院の結果を記録しておく。

前回の記録は以下。

視覚に関する記録 04 【日記】

視覚に関する記録を綴る日記。先日の通院での診察内容や心境の変化を記録。視野の欠落、夜盲、羞明といった症状についての経過や対策を考える。

2025年10月6日(月)の通院

ロービジョンケアの専門医による診察

3回目のロービジョンケア。

前回から症状の変化は特にないが、縦書きの文章が読みにくくなってきたことを伝えた。視野の中心は見えているが、その周囲にドーナツ状の視野欠落があるため、文庫本だと5文字ぐらいしか見えない。

見えてるならいいじゃないかと思われるかもしれないが、以前は2~3行を視野に捉えながら、ゴリゴリ読み進めることができていた。

ということで今回は、自分に合った視覚の確保を探っていこうとなった。

現在の視覚の確認

さまざまなテストを行い、現在の視覚の状態を確認した。

  • 遠距離(3m~): 症状が出てから必要な時以外は外出を控え、車の運転もあきらめた。遠くが見えないことは、日常生活においてそれほど不便を感じていない。
  • 中距離(1m~3m): 見えづらいが、距離を詰めれば良いので、さほど不便は感じていない。
  • 近距離(30cm~1m): 70cmぐらいのPCモニターは、裸眼で結構見えているし設定で何とでもなる。30cm~50cmぐらいの本やスマホは、視野欠損のほかに、老眼もあって見えづらい。

以上のことから、次のような対策をとることに決まった。

  • 遠距離・中距離: 今まで通り、日中は羞明対策のサングラスを着用し、あとは裸眼で過ごす。
  • 近距離: 処方箋をもらい、自分に合った老眼鏡を作成する。

老眼鏡の作成

これまでドンキで買った安物の老眼鏡を使っていたが、正確に視力を測定してもらった。乱視を含めた度数を測定し、最適な調整を行ったところ、驚くほど見え方が改善した。

プロはすごい。

処方箋をもらったので、近々眼鏡店で老眼鏡を作成する予定。

障害者手帳の申請について

前回、担当医から障害者手帳の申請を勧められたので、事前に市役所で申請書類をもらっておいた。

ロービジョンの専門医に、障害者手帳に関するメリット・デメリットを聞いたところ、以下のような回答をもらった。

  • メリット:
    • 公共交通機関の割引、税制上の優遇措置、福祉サービスの利用など。
    • 補装具費用の支給。(拡大鏡、音声読み上げソフト、点字ディスプレイなど)
    • 障害年金の申請が可能。(生活や仕事に支障がある場合、現役世代でも支給される)
    • 就労支援サービスの利用が可能。(職業訓練、就労移行支援、職場適応援助者の派遣など)
  • デメリット:
    • 社会的な偏見や差別を受ける可能性がある。
    • 職場での評価や昇進に影響を与える可能性がある。
    • 自己認識や自尊心に影響を与える可能性がある。

この先、さらに視覚が低下し、仕事に支障が出るようになった場合に備え、障害年金と就労支援サービスの利用は安心につながると感じた。

完全に見えなくなれば、さすがに会社をクビになるかもしれないし、次を見つけるのは年齢もありかなりキツイ。障害年金はとても心強い。

今後を見据えて聴覚に頼ったPC操作に切り替える場合、就労支援サービスを利用すれば、専門的な訓練やサポートを受けられる。

デメリットについては、いまのところ特に気にしていない。

結論として、障害者手帳の申請を行うことにした。

病院の文書受付窓口に、障害者手帳の申請に必要な診断書の作成を依頼した。今月末に受け取れる予定。3,300円かかる。

もし申請が通れば、視覚障害用の遮光レンズ眼鏡の補助金が出るらしい。ありがたい。

検査

いつもの視力検査、眼圧検査、眼底検査に加え、今回は視野検査を行った。

昨夜は一睡もできなかったので、視野検査中に何度も寝落ちしてしまった。

真っ暗で無音の中、じっと一点を見つめ続けるのは、かなりキツイ。なんとか無事終了。

担当医による診察

診察の結果、1年前と比べて、網膜の異常は変わらず、進行もしていないとのこと。

ひとまず安心した。

新宿にある大学病院で、遺伝性網膜疾患の検査を受けられるとのこと。

現在、症状は検査で明らかになっているものの、なぜ発症したのか、原因がわかっていない。

遺伝性網膜疾患の検査を受けることで、原因が特定できる可能性があるらしい。

とりあえず、この件は持ち帰ることにした。

心境の変化とこれから

あまり自覚はなかったが、今回あらためて振り返ってみると、1年前と比べライフスタイルは大きく変わったことを実感した。

滅多に外出しなくなり、多くのことをあきらめた。だが人間、慣れるものだ。

見えないものはどうやっても見えないし、いまさら検査で原因を特定するメリットはあるのか? お金もかかるし。

帰ってからパートナーに話したら、「原因がわかれば、将来の見通しが立つし、治療法が見つかる可能性もある」と言っていた。あと、「誰かのためになるかもしれない」とも。

なるほど、そういう考え方もあるのか。

もし自分が遺伝性網膜疾患であれば、新たな特定遺伝子の発見や、少なくとも症例の蓄積にプラス1を加えることができるかもしれない。

明日にでも大学病院に連絡して、検査の予約を入れようと思う。

目は見えなくなっているが、心はまだ元気だ。

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