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【音楽】無観客ライブ、配信ライブの新しいカタチ【無料で観れるおすすめ9選】

2021/09/22

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コロナ禍による音楽業界への打撃

2020年の始まりと共に襲来した「新型コロナウイルス」によるパンデミックは近年の私たちの生活を一変させました。

2021年も押し迫るいま、国や地域によってその度合いはさまざまですが、相変わらず恐ろしくもあり、慣れもあり、感染を警戒しながらの生活が続くことを多くの人が受け入れつつある状況と言えるのではないでしょうか。

コロナ禍によって失われたものは数多くあると思います。

その中には「音楽ライブ」「音楽コンサート」といったものも含まれると思います。

「3.11東日本大震災」の時期も理由は異なりますがミュージシャンたちの音楽活動は厳しく自粛せざるを得ない状況となりました。

ライブ配信のイメージ
Photo by:Jesus Loves Austin on Unsplash

個人的な音楽への思い

いつの時代でも音楽は素晴らしい感動を与えてくれます。

私はただのいち音楽ファンです。

若かりし頃は演じる側でもあったり、毎日のようにどこかしらのライブ会場で夜を過ごしていました。

近年は限りあるコンサートチケットをできるだけお若い方に取ってほしいとの思いで、テレビやオンライン配信でコンサートを楽しんでおりました。

そんなオンライン配信によるライブコンサート(以下、配信ライブ)ですが、コロナ禍によって思わぬプラスの効果がもたらされていると感じる機会が増えました。

それはどれもコロナ禍以前で見ることはできなかった素晴らしいものです。

人が命を落とすことは取り返しがつかないことです。

パンデミックが起きてよかったとは決して言えません。

しかし起きてしまった事実を受け入れ、前進しようと生み出されていくものに注目し賛辞を贈ることはきっと必要なことだと思います。

そんな思いで私が観測した範囲で見つけた「これは素晴らしい!」と感じた配信ライブをご紹介するのが本記事の主旨となります。

注目したライブ配信一覧

ライブ配信の定義

まず何をもって「ライブ配信」と言っているのかについて簡単に触れたいと思います。

いま業界はさまざまな試行錯誤を行っている最中だと思います。

つまりライブ配信とはこうである、と一概には言えないのが現状ではないでしょうか。

この記事においてストリーミング原理主義のような制約の大きい考えは持たず、リアルタイム配信、収録、有償・無償問わず、送り手が聞き手を意識しMCがあったり複数曲をパフォーマンスしたものを一括りに「ライブ配信」としてご紹介しようと思います。

Tiny Desk Concert シリーズ

10年以上、オフィスの狭いスペース(Tiny Desk)にアーティストを招待しパフォーマンスしてもらう配信を行っているチャンネルです。

「Taylor Swift」のような大物から知る人ぞ知るアーチストまで、出演者が幅広いのも魅力のひとつです。

NPR Music

NPR Music - YouTube

The official YouTube channel for NPR Music featuring Tiny Desk Concerts, live shows, documentaries a

コロナ禍以前はオフィス内に人がギッシリ観覧していて、狭いスペースならではの演じ手と聞き手の一体感が画面越しに伝わってくる素晴らしい配信を行っておりました。

コロナ禍以降は、「無観客なら客席いらなくね??」と思ったかどうかは分かりませんが、思い切ったシチュエーションでのパフォーマンスを配信しています。

たとえばこんな岩場でやったりもしています。

Anna B Savage Tiny Desk (Home) Concert

以前から実験的な要素のあるチャンネルではありましたが、コロナ禍がもたらした制約により、一気にその特徴が研ぎ澄まされていったように思います。

Tiny Desk Concertからはとくにお気に入りの3つの動画をご紹介します。

Dua Lipa Tiny Desk (Home) Concert

演奏場所:たぶんスタジオのセット?

みんな大好き「デュア・リパ」ですね。

メジャーシンガーとは言え、パフォーマンスができずに苦しんでいたのは彼女も一緒です。

MCではライブ配信の喜びをしみじみ語っています。

セレブハウスの広い部屋でパフォーマンスをするとこんな感じなのかもしれませんね。

披露したそれぞれの曲ともマッチしています。

ヘビロテしている動画のひとつです。

Little Simz Tiny Desk (Home) Concert

演奏場所:たぶんスタジオのセット?

いま私の中でもっとも熱いのがこの「Little Simz」です。

はじめて「Introvert」のMVを見たときも相当ぶっ飛びました。

しかしこのTiny Desk Concertのこの雰囲気、ものすごく良かないですか?

ヒップホップやラップ苦手な方には申し訳ないですが、彼女の持つ「強さ」の部分を視聴者に強く印象付けるセットでのパフォーマンスに痺れます。

maye Tiny Desk (Home) Concert

演奏場所:レストラン

個人的にヒスパニック系の音楽が大好きで、最近配信されたものの中でよかったのがこちらです。

レストランを使っての配信だそうで、オープニングの窓の外から撮っているような演出など場所を生かした素敵な配信となっております。

Tiny Desk Concert 以外の配信

Giolì & Assia

演奏場所:ギリシャミコノス島のクラブ

「Giolì & Assia」はイタリア出身のハウス/テクノ・デュオだそうで、以前から絶景をバックにパフォーマンスする動画を配信しています。

コロナ禍で急遽始まったものではないのですが、巣ごもりして自宅で音楽を楽しまざるを得ない勢が増えた現在、すでに多くのパフォーマンス動画を配信していた彼女たちの注目はより高まると思います。

今回ご紹介した動画は、その絶景もさることながら、日没から夜にかけての雰囲気がたまらないです。

以前も長尺ライブの映像で遠くに見える空が暮れていくのが見えたりある程度の雰囲気を楽しむことはできましたが、この動画は日没を織り込んでのライティング、曲の展開などを披露していて素晴らしいのです。

Ghostly Kisses - Live at Le Grand Salon

演奏場所:サロン?画廊?

概要欄に「Le Grand Salon, Quebec City」とありますが詳しい場所はわからず。

一枚の絵画をバックに、アコースティック演奏と共に抒情溢れるフレンチポップを奏でるというある意味ストロングなスタイルでの配信です。

じっと見ていると、自分も同じその部屋の中にいるように錯覚します。

Fujii Kaze "Free" Live 2021 at NISSAN stadium

演奏場所:スタジアム

通常のライブステージから無観客で配信しているライブが多い中、その一歩先をいく配信を選んで紹介しています。

こちらはその主旨から外れているようで新しい気もするのでご紹介します。

恐らくは随分前から会場を押さえていたのでしょう。

感染が激化し無観客は避けられないとなったのでしょう。

配信だけでもやろう!

でもこの規模で?

意味なくないすっか?無観客なのにこのハコのサイズ?

「藤井風」による「無観客ライブ配信at日産スタジアム」です。

人っ子一人いないスタジアムで藤井風がのびのびと歌い上げる。

このだだっ広い空間を音で埋めつくすことができる稀有なアーティスト。

これ、対象アーティストが「藤井風」じゃなかったら実現してなかったように思います。

番外編

Sen Morimoto - Full Performance (Live on KEXP at Home)

演奏場所:夜道

こちらの配信は「KEXP」という数多くのライブ配信を昔から行っているチャンネルです。

そのなかでも、アメリカで活動する「Sen Morimoto」さんのライブパフォーマンスは大変興味深いものでした。

演奏場所は「夜道」厳密にいうと、バンドの各メンバーはそれぞれ別の建物の部屋にいて窓に向かって演奏しています。

Sen Morimotoさんは夜道を歩きながら歌のパフォーマンスを行っています。

クレジットに編集が入ってるので恐らくはライブパフォーマンスではないのかな。

今回の主旨からは外れてしまいますが、コロナ禍でこの映像が流れてきて希望を感じたのは確かです。

お笑いライブ「明日のたりないふたり」

明日のたりないふたり / 2021.05.31 (月) / TOKYO, JAPAN | ローチケ LIVE STREAMING

明日のたりないふたり / 2021.05.31(月)/ TOKYO, JAPAN | ローチケLIVE STREAMING

最後は音楽ですらないご紹介で締めくくりたいと思います。

そしてこれを書いている2021年9月22日現在、どうやっても見る手段がなく残念無念の配信となります。

個人的に私はお笑い芸人「若林正恭」さんが大好きで、彼が「南海キャンディース山里亮太」さんと組んで活動していたのが「たりないふたり」というユニットです。

いろいろな経緯がありながら12年続いた活動がこのコロナ禍で終わることとなったのです。

当然ながらライブは無観客、場所はたりないふたりが結成された下北沢の「北沢タウンホール」。

いちファンとして心配もありつつ見届けたのですが、ある意味新しい形を体験した部分があったのでこの記事に追加いたしました。

ざっと言うと、若林さんが演者なのに客席に座り込んでいたり、客席を縦横無尽に破壊しまくったりなどなどです。

ネタバレがっつりありますが、興味ある方はこちらの記事に詳しく書いていますので読んでいただけたら嬉しいです。

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おわりに

客席がないならないで演じ手がガッツリはまるセットを組んで、カメラワークで十二分に映像を披露する方にシフトするのは古くて新しい素晴らしい試みのように感じます。

個々の技術は以前からあるものですが、制約が多く、需要が高まったことで再度ライブカメラの捉え方が見直されたのでしょう。

過去のライブ配信とは一線を画すクオリティーの映像ばかりですし、生のライブでは伝わらなかった部分にうまくフォーカスをあて魅力を引き出している作品は今後も増えていくことでしょう。

これは、楽しみ方の幅が広がるという意味でライブの魅力を高めるものと思います。

また、配信を組み合わせることで見たくても見られない人を拾い上げることができますし、制作サイドも収益の増加を期待できると思います。

まだまだ大変な時期ですが、くれぐれも気を付けてよりよい音楽ライフを送られることを祈念して締めたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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