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【作品紹介】 2017年に読んだ本 私のおすすめベスト10作品

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早いもので2017年も残すところわずかとなりましたね。
毎月3~4冊ほどのペースですが、今年も素晴らしい作品に出会うことができた一年となりました。

これもひとえに作者をはじめとする作品を作り出す方々、全国津々浦々まで流通して下さる方々、そして書店等で販売して下さる方々、そして本を愛し読書を楽しむ皆々様のおかげです。

心より感謝申し上げます!

誰の何の得になるのかわかりませんが、ちらほら見かけるこの手のふり返り記事を書いてみましたので、よろしければお付き合いくださいませ。

2017年の読書傾向

今年はアゴタ・クリストフの「第三の嘘」に始まり34作品を読みました。

文庫で買うことが多く、上下巻に分かれているものもあるので冊数にするともっと多くなりますが、それにしても相変わらず読むペースは遅いですね。

傾向としては、文学作品やミステリが大半を占めています。
また、海外作品を読む機会が増えてきたこともあり、全体の3割を超えました。

私以外の誰の参考にもならないと思いますがグラフにしたものを貼っておきます。

読書傾向グラフ 著者別
読書傾向グラフ 著者別

読書傾向グラフ 出版社別
読書傾向グラフ 出版社別

読書傾向グラフ カテゴリ別
読書傾向グラフ カテゴリ別

読書傾向グラフ 国内・海外割合
読書傾向グラフ 国内・海外割合

2017年のマイベスト10作品

ここまで長くてすみませんでした。

それではあらためまして10位から書いていきたいと思います。

第10位 第三の嘘(アゴタ・クリストフ)

『第三の嘘』アゴタ・クリストフ【読書感想・あらすじ】

第三の嘘 (アゴタ・クリストフ) のあらすじと感想。 ベルリンの壁の崩壊後、双子の一人が何十年ぶりかに、子供の頃の思い出の小さな町に戻ってきた。彼は少年時代を思い返しながら、町をさまよい、ずっと以前に別れたままの兄弟をさがし求める。双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされる真実と嘘とは?

第二次大戦前後を生き抜く双子の兄弟の物語。この作品はハンガリー出身の作家によるもので彼女自身の体験にもとづく作品と言われています。『悪童日記』から始まる三部作のラストを飾る作品でもあり読み応えばっちり。できることならばもっと若い頃に出会えたらより大きな衝撃を受けただろうなと思いました。

第9位 死のドレスを花婿に(ピエール・ルメートル)

『死のドレスを花婿に』ピエール・ルメートル 【読書感想・あらすじ】

死のドレスを花婿に(ピエール・ルメートル)のあらすじと感想。※ネタバレを含む。ソフィーの目の前に転がる男児の無残な死体。ああ、私はついに人を殺してしまった。幸福だった彼女の破滅が始まったのは数年前。記憶にない奇行を繰り返し、彼女はおぞましい汚名を着て、底辺に転落したのだ……。

『その女アレックス』がベストセラーとなったフランス人作家の作品。執拗に、長きに渡り、少しずつ人の人生を狂わせる。究極胸糞復讐劇でもありますが、読者に驚きをもたらす強烈な仕掛けが見どころのミステリ作品です。アレックスを含むカミーユ警部三部作もよかったですが、こちらの方が個人的には好きですね。

第8位 特捜部Q ―Pからのメッセージ―(ユッシ・エーズラ・オールスン)

『特捜部Q Pからのメッセージ』 ~デンマーク発のミステリーシリーズ~ 【読書感想・あらすじ】

特捜部Q ―Pからのメッセージ― 上下巻 ユッシ・エーズラ・オールスン ー あらすじと感想その手紙は、ビンに収められたまま何年間も海中にあり、引き揚げられてからもすっかり忘れ去られていた。だがスコットランド警察からはるばる特捜部Qへとその手紙が届いたとき、捜査の歯車が動き出す。

こちらはデンマーク発のシリーズもの。過去の未解決事件を専門に捜査する「特捜部Q」というチームが活躍する物語で、とにかくクセのある人物しか出てこないのも見どころのひとつです。海の荒くれものバイキングの国だからか事件はひたすらに凶悪なものが多いのですが、過去の事件と現在がつながる瞬間に、ある種の快感をもたらしてくれる良作・良シリーズです。

第7位 春を背負って(笹本稜平)

『春を背負って』 笹本稜平 【読書感想・あらすじ】

春を背負って (笹本稜平) のあらすじと感想。先端技術者としての仕事に挫折した長嶺亨は、山小屋を営む父の訃報に接し、脱サラをして後を継ぐことを決意する。そんな亨の小屋を訪れるのは、ホームレスのゴロさん、自殺願望のOL、妻を亡くした老クライマー……。

こちらは打って変わって日本の山小屋を舞台にした心温まる作品。美しい奥秩父の山々、夏の訪れを告げるシャクナゲのお花畑、自然の魅力が盛りだくさんで癒されます。都市部での生活や人間関係に疲れを感じてる人には最高の清涼剤になること間違いなし。

第6位 老人と海(ヘミングウェイ)

『老人と海』 ヘミングウェイ 【読書感想・あらすじ】

あらすじ キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。四日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食いちぎられてゆく……。徹底した外面描写を用い、大漁を相手に

アメリカを代表する作家アーネスト・ヘミングウェイの作品。老人が漁に出て帰るまでに儚い勝利と敗北が横たわり、まるで人間の一生を描いているかのよう。半世紀以上前の作品ですが、時代を経ても色あせることのない普遍的なテーマを力強く描いた素晴らしい作品。

第5位 Iターン(福澤徹三)

『Iターン』 福澤徹三 【読書感想・あらすじ】

あらすじ 広告代理店の冴えない営業マン・狛江が単身赴任したのは、リストラ対象の北九州支店。思わぬトラブルでやくざに絡まれ、大借金のうえ身売りの大ピンチに。鉄拳の雨と禁断のレバ刺し、爆弾を抱えたダイ・ハードな日常。生き地獄に陥った男のI(=自分)ターンとは!? 血圧上昇、リーマン・ノワールの傑作! 

同期入社の上司にこき使われ家庭ではATM扱い。悲哀たっぷりのサラリーマンが北九州の町で巻き起こす痛快逆転劇。これまで読んでこなかったタイプのエンターテインメント作ですが、なんも考えずに楽しめる。最後に筋を通した者たちをちゃんと称賛する物語構成もまたよし。久々にスカッとする気持ちの良い作品でした。

第4位 起終点駅 ターミナル(桜木紫乃)

『起終点駅 ターミナル』 桜木紫乃 【読書感想・あらすじ】

起終点駅 ターミナル 桜木紫乃 ー あらすじと感想鷲田完治が道東の釧路で法律事務所を開いてから三十年が経った。国選の弁護だけを引き受ける鷲田にとって、釧路地方裁判所刑事法廷、椎名敦子三十歳の覚醒剤使用事件は、九月に入って最初の仕事だった(表題作『起終点駅』)。

今年は桜木紫乃さんの作品と出会った年でもありました。最初に読んだのは『ラブレス』でしたが、いずれの作品も著者出身である北海道を舞台に描いており、社会とうまく折り合いがつけられない人々をやさしく包みこむような物語が印象的です。この「ターミナル」は、読んだなかでもっとも新しい作品。かつもっとも研ぎ澄まされた印象があり選びました。桜木マジックに酔いしれる人が増えるといいなと思います。

第3位 推定無罪(スコット・トゥロー)

『推定無罪』 スコット・トゥロー 【読書感想・あらすじ】

推定無罪 上下巻 S・トゥロー (文春文庫) あらすじと感想 アメリカ中部の大都市、地方検事を選ぶ選挙戦のさなかに、美人検事補が自宅で全裸の絞殺死体となって発見された。変質者によるレイプか、怨みが動機か、捜査に乗りだしたサビッチ主席検事補は、実は被害者と愛人関係にあった間柄、容疑が次第に自分に

80年代アメリカ都市部における司法世界を舞台にした作品。しびれるような裁判劇と犯人をめぐるミステリ、そして法とは、人間とは何かと考えさせられる人間ドラマが見事に1つの物語として完結しているのが素晴らしい。冷徹に事実の積み重ねのみを要求する合理性の塊である法と、矛盾をはらみ愚かな振る舞いを止めることができない人間との対比が印象深かったですね。

第2位 ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(スティーグ・ラーソン)

『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 スティーグ・ラーソン 【読書感想・あらすじ】

あらすじ 月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家の違法行為を暴く記事を発表した。だが名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れた。そんな折り、大企業グループの前会長ヘンリックから依頼を受ける。およそ40年前、彼の一族が住む孤島で兄の孫娘ハリエットが失踪した事件を調査してほしい

最初にハリウッド版の映画を見たのですが、話の筋を知っていたにもかかわらず、これほど楽しめるとは予想していなかった!スウェーデンの歴史、宗教や社会問題を背景に重厚かつ長大な物語を展開し、魅力的なキャラクターが軽やかに駆け抜ける。完成度が高く余計なことを考えず一心に没頭できる秀逸なミステリでした。この作品は三部作で、現在は第二部を読んでいます。また本国スウェーデンでは三作とも映像化されており、このあとも楽しみがいっぱいで鼻血が出そうです。

第1位 月と六ペンス(サマセット・モーム)

『月と六ペンス』 サマセット・モーム著【読書感想・あらすじ】

あらすじ ある夕食会で出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで再会した彼の口から真相を聞いたとき、私は耳を疑った。四十を過ぎた男が、すべてを捨てて挑んだことは――。ある天才画家の情熱の生涯を描き、正

いろいろ迷いましたが1位はこの作品としました。著名な画家ゴーギャンをモデルに描いた100年前のベストセラー。といっても、まったく古めかしさを感じさせない作品テーマと、ごく身近な物語に感じさせる人物描写が特徴で、翻訳の力が光る逸品です。

物語としても、もちろん素晴らしいのですが、なんど眺めても飽くことのない美しい文章ってあるのだなあ、と思えるところがこの作品のもっとも大きな魅力です。 今年一番の出会いでした。

2017年を振り返る番外編ー電子書籍について

今年の読書に関する私的トピックスとして、電子書籍の利用に変化がありました。

2016年にアマゾンKindleで電子書籍デビューをしたのですが、国内のサービスでよいところがあれば乗り換えようと思い立ち実行に移しました。

Kindleからhontoに乗り換えてみた ~電子書籍サービス10社を比較

Kindleから別の電子書籍サービスへ乗り換えるために10社のサービスを比較しました。実際に乗り換えを行った「honto」のサービス内容を中心に各社の電子書籍サービスについてまとめています。乗り換えを検討されている方、電子書籍の利用を検討している方のお役に立ちましたら幸いです。

Kindleのサービス自体に不満があったわけではありません。

記事にも書いていますが、私のアマゾン依存があまりに深いことにはたと気づいたことがきっかけで、「honto」というサービスに乗り換えました。

なかなか良いサービスで、おかげさまで快適な電子書籍ライフを送ることができています。

ちなみに電子書籍は漫画と専門書、文芸作品は紙の本という状況ですね。

2018年はどうなっていかまだ予想がつきません。

最後に

私は本屋さんで平積みになっている本を手に取ることがあまりありません。

別にあたらしいものを避けているわけではないのですが、出会いに何かしら特別なものを求めるところがあり、どうしても書籍の流通事情とは相容れないところがあります。

人との出会いと同じようなものかもしれないと思うことがあります。

以前から知ってはいたけど深く会話を交わすようになるまでに時間がかかった人や、会ったその日に通じ合うところがあったり、はたまたせっかくの縁で知り合ったものの言葉を交わすことなくそれっきりなどなど。

私は何を言っているのでしょうかね。

以前読んだ作品を読み返して新たな発見に出会えたり、新しい作品に出会えたり、本との出会いはほんとうに素敵です。

過去にも、未来にもまだ出会っていない本たちが無数にあることを思うと多幸感がやばいです。

一人でも多くの人に素敵な本との出会いが訪れますように。

長文駄文失礼しました!

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