【Mozc】入力モードのデフォルトを「ひらがな」にする【Ubuntu・fcitx】

2021/10/05

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本記事の背景

中古ノートPCにUbuntu 20.04LTS(日本語Remix版)をインストールした後の作業です。

『Ubuntu 20.04LTS』を中古ノートPC(DELL LATITUDE 3380)にインストールする【備忘録】 | neputa note

この記事の概要 中古のモバイルノートPCを入手し「Linux OS」の「Ubuntu」をインストールした経緯及び手順をまとめたもの。インストール対象機種 DELL LATITUDE 3380 2015

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Ubuntuをインストールした後に行ったことをまとめようと考えていたが、最初に手を付けたIMEまわりの作業量が想定以上に多かったため別記事とすることとした。

IME関連で行った主な作業は下記の2つ。

  1. mozcのデフォルト入力モードを「直接入力」から「ひらがな」に変更する(今回記事)
  2. 入力切り替えのショートカットキーを割り当てる(次回記事)

Ubuntu 20.04LTS の日本語Remix版には日本語IMEとして「mozc」がプリインストールされていた。

しかし、いざ日本語を入力しようとmozcをオンにすると、mozcの入力モードは「直接入力」がデフォルトで割り当てられている。このため Ubuntuにログインするたび、マウスで「直接入力」から「ひらがな」に切り替える手間が発生する。

これを解消するために必要な手順を調べたので備忘録としてまとめる。

今回作業の目的

  • Ubuntuにログインしmozcをオンにしたとき、入力モードがデフォルトで「ひらがな」を選択した状態にする。
  • 再ログインした後もこの状態が維持されていることを確認する。
  • 次の作業で「入力切り替えのショートカットキー割り当て」を行うとき、「fcitx」の機能を使いたい。よって今回作業は「fcitx-mozc」で行う。

システムおよびデバイス環境

OS

Ubuntu 20.04LTS (日本語Remix版)

IME

fcitx-mozc

エディタ(ソースファイル修正用)

vi

作業概要

  • 今回の問題である「入力モード」のデフォルト値は、ソースレベルで修正が必要である。
  • よってmozcのソースファイルを入手し、修正、ビルド、インストールを行う。
  • いくつか見かけた記事の「apt build-dep」をそのまま実施すると「パッケージが見つからない」エラーが発生する。
  • これの対処として、最初に aptの sources.listファイルを修正する。(root権限)

作業詳細

apt sources.list ファイルの修正

ターミナルを起動し、root権限にスイッチする

bash
sudo su -

aptディレクトリに移動

bash
cd /etc/apt

sources.listファイルのバックアップ

bash
cp -p sources.list sources.list.$(/bin/date +"%Y%m%d")

sources.listファイル内のdeb-srcのコメントアウトを解除

bash
sed -i -e "s/# deb-src/deb-src/" sources.list

root権限から通常ユーザに戻る

bash
exit

必要パッケージのインストール

build-essential devscriptsをインストール

bash
sudo apt update
sudo apt upgrade -y
sudo apt install build-essential devscripts -y

fcitx-mozをビルドする時に依存するパッケージをインストール

bash
sudo apt build-dep fcitx-mozc -y

fcitx-mozのソース修正

fcitx-mozcのソースをダウンロード

bash
apt source fcitx-mozc

vi でソースファイルを開く

bash
vi $(find ./ -type f -name property_handler.cc)

83行目の false を true に修正する

vim
const bool kActivatedOnLaunch = false;

これを

vim
const bool kActivatedOnLaunch = true;

にする。

保存してソースファイルを閉じる(vi のコマンド)

vim
:wq

fcitxのビルド~インストール

修正したfcitx-mozcをビルドする

bash
cd mozc*/
dpkg-buildpackage -us -uc -b

fcitx-mozcをインストールする

bash
sudo dpkg -i ../mozc*.deb ../ibus-mozc*.deb

再ログインする

IMシステムを「ibus」から「fcitx」に変更

Ubuntuにログインし、画面左のDockから、またはコマンド「gnome-control-center」で設定アプリを起動する。

左側の「地域と言語」を選択し、「インストールされている言語の管理」をクリックする

設定スクリーンショット01

言語サポートウインドウが立ち上がるので、「キーボード入力に使うIMシステム」を「ibus」から「fcitx」に変更し閉じる。

設定スクリーンショット02

再ログインし、mozcに入力を切り替えて日本語が入力できることを確認する。

終わりに

どうにか解決できましたが、日本語Remixに「mozc」を含めて配布する以上、普及の影響など考慮するとぜひ対処していただきたい問題だと思います。

次回は入力切り替えのショートカットキーを設定する作業についてまとめます。

「Mozc」の日本語入力ON/OFFショートカットキーを設定する(トグル無し)【Ubuntu20.04・USキーボード・Fcitx】 | neputa note

今回作業の目的 1. Ubuntu OS の日本語入力を切り替えるショートカットキーをカスタマイズする 2. 切り替えはトグル式ではなく、IMEのオンおよびオフそれぞれにショートカットキーを割り当てる

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最後までお読みいただきありがとうございます。

参考サイト

#KuTooから#MuTooへ:Ubuntuのmozcで日本語入力切り替え時のデフォルトをHiraganaにする

#KuTooから#MuTooへ:Ubuntuのmozcで日本語入力切り替え時のデフォルトをHiraganaにする

mozcのデフォルトをひらがな入力モードにする - dakusui's blog

Ubuntu 16.04や18.04ではmozcが使える。なれてしまうとanthyには戻れない。 が、mozcはmozcで、ログイン後の入力モードがデフォルトでDirect Input(直接入力)になっていて、しかも私のキーボードではひらがな入力モードに変更できない。なので、毎度毎度マウスを操作してひらがな入力モードに変更しなくてはならない。これが嫌で一度anthyに戻そうとしたが、やはり変換精度の差はいかんともしがたい。mozcを使うときは日本語を使いたい時のはずなので、どのような経緯でこのような仕様になったのか、不思議なところであるがこの際、どうでもいい。 ということでこれを直すことにする…

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